DESIGN
古今東西 かしゆか商店【淡路島の線香】
『カーサ ブルータス』2022年7月号より
July 8, 2022 | Design | KASHIYUKA’s Shop of Japanese Arts and Crafts | photo_Keisuke Fukamizu hair & make-up_Masako Osuga editor_Masae Wako
日常を少し贅沢にするもの。日本の風土が感じられるもの。そんな手仕事を探して全国を巡り続ける、店主・かしゆか。今回訪ねたのは兵庫県の淡路市。伝統的な手作りの製法を今なお続けている工房で、懐かしい香りと出会いました。
香りって不思議です。昔なじみの伝統的な香りでも、一人ひとりの違う記憶を呼び覚ますのだから。
「材料を練り合わせて細長くした線香は、安土桃山時代に朝鮮半島から伝来したもの。国産線香の製作は17世紀からですね」
と、創業約170年の香老舗〈梅薫堂〉5代目であり、香りを作る香司でもある吉井康人さん。
「材料を練り合わせて細長くした線香は、安土桃山時代に朝鮮半島から伝来したもの。国産線香の製作は17世紀からですね」
と、創業約170年の香老舗〈梅薫堂〉5代目であり、香りを作る香司でもある吉井康人さん。
今回の旅先は線香の町として知られる兵庫県淡路市の港町・江井。江戸末期、冬場に船乗りの仕事が減ってしまうことへの対策として、大阪の泉州堺から線香作りの技術を導入したのが始まりだったとか。
「線香の質は乾燥で決まる。乾いた西風が吹く風土は線香作りに最適で、昭和30年代に日本最大の産地となりました。今もそれは変わらないものの、当時と同様に手仕事を続けているのはウチだけです」
「線香の質は乾燥で決まる。乾いた西風が吹く風土は線香作りに最適で、昭和30年代に日本最大の産地となりました。今もそれは変わらないものの、当時と同様に手仕事を続けているのはウチだけです」
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