DESIGN
アジア初にして最大級のnendo展覧会、台北で開催中。
August 30, 2016 | Design, Travel | casabrutus.com | photo_Takumi Ota text_Miho Tanaka
常に世界中からその活動が注目を集めているnendo。今度はアジア初となる大規模な展覧会が台北で始まった。会場は日本統治時代のたばこ工場をコンバージョンした〈松山文創園区〉。建物を最大限に生かした展示は、過去に同じ場所で行われたどの展示とも違う手法が取り入れられている。その斬新なアイデアとは?
台湾のデザイン発信地ともなっている〈松山文創園区〉の前身は、1937年に台湾総督府が建設したたばこ工場だ。1998年に台北市政府が旧跡として指定し、大規模な開発が行われた。2011年からはその広い敷地を利用しながら、展覧会やコンサートなどさまざまなイベントが行われている。
ここにある〈台湾デザインミュージアム〉を会場に約2か月にわたって開催される『nendo : looking through the window』の記者会見で、nendo代表の佐藤オオキは「建物に足を踏み入れたとき、その窓の多さに驚くと同時に、なんだか懐かしい気持ちになりました。歴史のある場所ですので、そのよさを生かした展示にしたいと考えました」と語った。
これまで同じ会場で行われた展示では室内に作品が置かれるのが常だった。しかし今回はその慣例を鮮やかにくつがえしている。館内の長い廊下を歩きながら、窓ごしに作品を見る会場設計にある。こうすることで、その建築的価値を理由に、釘打ちさえ許されない広い建物全体がフル活用されている。参加した台湾のデザイン関係者は「作品はもちろんだが、建築家の側面をもったデザイナーならではの発想で素晴らしい」と驚いていた。
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