DESIGN
驚きのデフォルメとデザイン! 日本のネオ郷土玩具【新しい作り手】編。
『カーサ ブルータス』2022年1月号より
| Design, Art, Culture, Travel | FOLK TOYS | photo_Keisuke Fukamizu text_Masae Wako
部屋にあるだけで和む、縁起のいいダルマや愛嬌たっぷりの招き猫。現代作家によるユニークな “ネオ郷土玩具” も続々登場しています。そんな郷土玩具の新しい魅力を〈山響屋〉の瀬川信太郎さんに聞きました。ここでは、自由で想像力で大人気、注目の作家たちを紹介します。
「郷土玩具はいつの時代も庶民に寄り添ってきた。だから面白いと思うんです。祈りや願いを込めたり、神仏や自然への敬意を表したり……というマジメで切実なものなのに、妙にかわいかったりゆるかったり。そのあんばいがいいんですよね」
と話す瀬川信太郎さん。全国から郷土玩具ファンが訪れる福岡の人気店〈山響屋〉の店主である。
郷土玩具の多くは江戸時代前後に誕生した。スタイルは主に「張り子」と「土人形」の2つ。「張り子」は粘土や木彫りなどで作った型に紙を張りつけて成形したもの。中空で軽いのが特徴だ。「土人形」は素焼きの人形に胡粉をかけて泥絵具で絵付けしたもの。どちらも、魔除けの赤色を使ったデザインや、繁栄を意味する動物を象ったものなど、縁起物が多い。
「各地の現代作家による郷土玩具も増えてますが、ウチで扱うのは、昔の作り方を守っている方の作品。クセの強さと愛らしさがバランスよく混ざったものが人気です」
郷土玩具の魅力のひとつは、作り手の人間性が垣間見えること。「縁起物のダルマに、さらに縁起のいい蛸や猫をくっつけてダブルで願掛けしたり、両手を上げて人もお金も招こうとする招き猫を作ったりするのを見ると、素直な欲が出ちゃっていて面白いなあと愛おしくなるんです」
もうひとつの魅力はデザイン。
「日本人のデザイン力ってすごい。つくづくそう思います。ダルマの顔のグラフィックや、猫や鳥をデフォルメするセンスは、ぶっとんでるし洗練されてもいる。若い人にももっと知ってほしいですね」
と話す瀬川信太郎さん。全国から郷土玩具ファンが訪れる福岡の人気店〈山響屋〉の店主である。
郷土玩具の多くは江戸時代前後に誕生した。スタイルは主に「張り子」と「土人形」の2つ。「張り子」は粘土や木彫りなどで作った型に紙を張りつけて成形したもの。中空で軽いのが特徴だ。「土人形」は素焼きの人形に胡粉をかけて泥絵具で絵付けしたもの。どちらも、魔除けの赤色を使ったデザインや、繁栄を意味する動物を象ったものなど、縁起物が多い。
「各地の現代作家による郷土玩具も増えてますが、ウチで扱うのは、昔の作り方を守っている方の作品。クセの強さと愛らしさがバランスよく混ざったものが人気です」
郷土玩具の魅力のひとつは、作り手の人間性が垣間見えること。「縁起物のダルマに、さらに縁起のいい蛸や猫をくっつけてダブルで願掛けしたり、両手を上げて人もお金も招こうとする招き猫を作ったりするのを見ると、素直な欲が出ちゃっていて面白いなあと愛おしくなるんです」
もうひとつの魅力はデザイン。
「日本人のデザイン力ってすごい。つくづくそう思います。ダルマの顔のグラフィックや、猫や鳥をデフォルメするセンスは、ぶっとんでるし洗練されてもいる。若い人にももっと知ってほしいですね」
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