DESIGN
今や入手困難。川久保玲がデザインした“幻の椅子”を見逃すな。
May 5, 2021 | Design, Art, Fashion | casabrutus.com | text_Mio Koumura
1983年頃から約10年の間に、40点。コム デ ギャルソンの川久保玲がデザインした家具は、今や入手困難なコレクターズアイテム。その中からブリキを使用したシリーズが東京・目黒に集結します。
1983年頃から93年頃までの約10年間ほど、コム デ ギャルソンの川久保玲には家具をデザインした時期があったという。ちょうど、1981年にパリで開いた最初のショー「pirates」で大きな旋風を巻き起こした2年後。自身初のブティックをオープンさせるタイミングで、イメージする家具が見つからず、空間設計の延長として椅子やテーブルをデザインしたのが始まりだったという。それは、スタイリストとしてキャリアをスタートさせた川久保がイメージした服が見つからず、自ら服を用意したことがブランド始動のきっかけとなったというコム デ ギャルソンのファンにはよく知られたエピソードを想起させるものだ。
「一瞬のひらめきでいいな、と感じた素材や形を取り入れる、それがすべてですね」と当時のインタビューで答えているように、約10年の間でデザイン・発表した家具はおよそ40点ほどとそう多くはない。しかし、その既成概念に囚われないデザインは、服と同様に空間を一変させるアートピースとしての存在感も備える。その証拠にプロダクトとしての高い評価を得ており、〈パリ装飾美術館〉をはじめとする世界各国の美術館にパーマネントコレクションとして収蔵。市場に出回ったとしても入手困難だと言われている。
「一瞬のひらめきでいいな、と感じた素材や形を取り入れる、それがすべてですね」と当時のインタビューで答えているように、約10年の間でデザイン・発表した家具はおよそ40点ほどとそう多くはない。しかし、その既成概念に囚われないデザインは、服と同様に空間を一変させるアートピースとしての存在感も備える。その証拠にプロダクトとしての高い評価を得ており、〈パリ装飾美術館〉をはじめとする世界各国の美術館にパーマネントコレクションとして収蔵。市場に出回ったとしても入手困難だと言われている。
そうした家具の中でも椅子にスポットを当てた企画展を、東京・目黒のギャラリー〈LICHT〉が開催する。数あるコレクションのなかからブリキを使用したシリーズに着目し、厳選された3脚の椅子を展示するほか、一部の椅子の販売も予定。ブリキの冷たさと深いブルーの合わせ、そして特異なフォルム。今や幻に近いそのプロダクトデザインを、ぜひ間近で体感したいものだ。
『 川久保玲(COMME des GARSONS)の椅子 』
〈LICHT〉東京都目黒区青葉台3-18-10 2F。TEL 03 6452 5840。2021年5月29日〜6月6日。13時〜18時。会期中は毎日営業。