DESIGN
アンディ・ウォーホルの、ロンドンでの大回顧展が再オープン。
July 26, 2020 | Design | casabrutus.com | text_Megumi Yamashita
ポップアートの旗手、アンディ・ウォーホル (1928-87)の回顧展が、コロナ禍による4ヶ月間の閉鎖を経て、7月27日よりロンドンの〈テート・モダン〉にて再オープンに。アーティストの人物像が浮き上がる、エモーショナルな展覧会になっている。
1960〜80年代のアメリカン・カルチャーをポップアートとして表現し、自らもアイコン的存在であったアンディ・ウォーホル。本展ではそんな彼の華々しい成功と同時に、チェコ系の貧しい移民の子として生まれ、病弱でマザコンで同性愛者、銃撃を受けた傷だらけの体にトレードマークのカツラ、という生身の姿を浮き彫りにしながら、その作品を振り返る。
展示は1950年代の線描の男性ポートレートや映像に始まり、60年代のアイコニックなポップアート作品へ。マリリン・モンローやジャクリーン・ケネディをモチーフにした作品も、モンローやケネディ大統領の死後に制作されたもので、死がテーマであったことが見えてくる。
展示は1950年代の線描の男性ポートレートや映像に始まり、60年代のアイコニックなポップアート作品へ。マリリン・モンローやジャクリーン・ケネディをモチーフにした作品も、モンローやケネディ大統領の死後に制作されたもので、死がテーマであったことが見えてくる。
シルバーの枕のような風船が浮かぶインスタレーション《シルバー・クラウド》(1966) や、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドが参加したサイケデリックマルチメディア《エクスプローディング・プラスチック・イネビタブル》》(1966) も再現され、こちらでは1960年代のカウンターカルチャーのムードもプチ追体験ができる。
1968年に過激派フェミニストのヴァラリー・ソラナスに銃撃され九死に一生を得た後は、作品は大型の絵画へと移行。ニューヨークのトランスジェンダーたちを描いたカラフルな《レディース&ジェントルメン》シリーズ(1975)など、独特の色彩感覚が浮き彫りになる。
展覧会の最後を飾るのは、薄暗い中に飾られたモノクロ作品《シクスティー・ラストサパー》(1986)だ。レオナルド・ダ・ヴィンチの《最後の晩餐》へのオマージュとなるこの作品が展示されて間もなく、この世を去ったウォーホル。残した作品とともに、その生き様のインパクトは今もって強烈だ。
『アンディ・ウォーホル展』
〈Tate Modern〉Bankside, London SE19TG TEL(44)20 7887 8888。7月27日〜11月15日。10時~18時(9月4日より金・土〜22時)。入場料22ポンド。時間制チケットをオンライン購入の上、入場。詳細は公式サイトにてご確認を。