DESIGN
絵画とテキスタイル・デザイン。2つの世界で活躍したラウル・デュフィ。
October 26, 2019 | Design, Art | casabrutus.com | text_Mariko Uramoto
20世紀前半のパリで活躍した画家、ラウル・デュフィの展覧会が〈パナソニック汐留美術館〉で開催中。ジャンルを越境しながら独創的な表現を探求し、“歓喜(よろこび)の画家” として開花したデュフィ芸術の歩みをたどる。
開け放った窓から望むにぎやかな南仏の海、陽気な雰囲気に包まれた室内。ラウル・デュフィ代表作《ニースの窓辺》からは、生きる喜びが伝わってくる。セザンヌやフォーヴィスムの影響を受けたデュフィは海や自然、音楽をモチーフにして、光溢れる色彩をキャンパスの上で弾けさせている。
明朗な印象を持つデュフィだが、実は人生の半ばまで画業が認められず、第二次世界大戦中には迫害を逃れながら絵を描き続けるなど、平穏とは言えない人生だった。だが彼の絵から明るさが失われることはなかった。その鮮やかな色彩感覚と躍動感あふれる筆致は、ファッションデザイナーのポール・ポワレから高く評価され、彼とともに布地の共同開発を開始することに。これをきっかけにリヨンにあるビアンキーニ=フェリエ社と契約し、テキスタイルデザインに取り組むことになった。デュフィはドラマチックな表現とモダンな構図を次々と発表し、デザイナーとしても注目を集めた。
テキスタイルの仕事と向き合うことで、絵画においても色彩と輪郭が画面上で調和する独特の画風を確立。花や昆虫など身近な自然だけではなく、パーティの情景やスポーツをする人々など都市生活の様子も取り入れるといった人生の楽しみを作品で表現している。
明朗な印象を持つデュフィだが、実は人生の半ばまで画業が認められず、第二次世界大戦中には迫害を逃れながら絵を描き続けるなど、平穏とは言えない人生だった。だが彼の絵から明るさが失われることはなかった。その鮮やかな色彩感覚と躍動感あふれる筆致は、ファッションデザイナーのポール・ポワレから高く評価され、彼とともに布地の共同開発を開始することに。これをきっかけにリヨンにあるビアンキーニ=フェリエ社と契約し、テキスタイルデザインに取り組むことになった。デュフィはドラマチックな表現とモダンな構図を次々と発表し、デザイナーとしても注目を集めた。
テキスタイルの仕事と向き合うことで、絵画においても色彩と輪郭が画面上で調和する独特の画風を確立。花や昆虫など身近な自然だけではなく、パーティの情景やスポーツをする人々など都市生活の様子も取り入れるといった人生の楽しみを作品で表現している。
本展では、近代社会の諸相を捉えた優美な絵画と、ファッションデザイナーが使用した大胆でモダンなテキスタイル・デザインの2つを軸に紹介する。また、ポール・ポワレ原案のドレスをモンジ・ギバンがモダンにアップデートした衣装や、クリスチャン・ラクロワやオリヴィエ・ラピドスによるデュフィのテキスタイルを使ったドレス、イギリスの舞台衣装デザイナー、アンソニー・パウエルによる舞台衣装など華麗なドレスも登場し、ファッション好きも見逃せない内容となっている。
『ラウル・デュフィ展 絵画とテキスタイル・デザイン』
〈パナソニック汐留美術館〉
東京都港区東新橋1-5-1パナソニック東京汐留ビル4F TEL 03 5777 8600。10月5日〜12月15日。一般1,000円。