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【新連載】余宮隆展@千鳥|輪湖雅江の器とごはん
| Design, Food, Travel | casabrutus.com | photo_Yoshikazu Shiraki text_Masae Wako utsuwa & food_Takashi Yomiya illustration_Yoshifumi Takeda
器は料理を盛ってこそ! ということで、人気作家の最新作を発表する個展に合わせて、作家本人に料理も作ってもらっちゃおう…という無茶ぶり企画が始まります。
「器は、料理を盛った時にいちばん美しく見えるのがいい。器をつくる時も料理から発想することが多いです。だってね、夢の中に、まだつくってもいない器が現れることもあるんですよ。しかも、すでに料理が盛られた状態で」
それほどまでに料理好きな陶芸家・余宮隆を訪ね、福岡から飛行機で35分の熊本県天草へ。天草は大小120余の島々からなるのどかな諸島。その本島北部に建つ江戸時代末期の日本家屋が、余宮の工房だ。昔話みたいな景色が広がる美しい土地で、登り窯、電気炉、ガス窯を駆使して陶器を焼いている。
「福岡の建築専門学校に通っていた時、たまたま古唐津の茶碗を見て “これをつくりたい…” とドキドキしたのがきっかけでした」。そう話す余宮が弟子入りしたのは、唐津の名窯〈隆太窯〉の中里隆。うつわファンならだれもが知る唐津焼の巨匠であり、料理名人としても有名だ。そんな師匠の下で3年ほど器と料理を学び、天草でも7年間修業したのち2004年に独立した。
それほどまでに料理好きな陶芸家・余宮隆を訪ね、福岡から飛行機で35分の熊本県天草へ。天草は大小120余の島々からなるのどかな諸島。その本島北部に建つ江戸時代末期の日本家屋が、余宮の工房だ。昔話みたいな景色が広がる美しい土地で、登り窯、電気炉、ガス窯を駆使して陶器を焼いている。
「福岡の建築専門学校に通っていた時、たまたま古唐津の茶碗を見て “これをつくりたい…” とドキドキしたのがきっかけでした」。そう話す余宮が弟子入りしたのは、唐津の名窯〈隆太窯〉の中里隆。うつわファンならだれもが知る唐津焼の巨匠であり、料理名人としても有名だ。そんな師匠の下で3年ほど器と料理を学び、天草でも7年間修業したのち2004年に独立した。
「唐津焼に憧れて弟子入りしたものの、いくら焼いても何度挑戦しても唐津焼にならない。どこの国のものかわからないような器しか焼けないんです。もうこれが自分の個性でいいや…!と、わりと早い時点で開き直りました」
人をドキドキさせるもの、時代がかったようなものが持っている雰囲気が好き。
「この江戸時代の日本家屋もそうですね。この空間が好きすぎて、ちょっとした古民家風の旅館に泊まってもあんまりドキドキしない。……今、ドキドキすることですか? 窯出しする時かなあ。夜通し焼き続けた翌朝、早起きしてどんなふうに焼きあがっているか見る瞬間はワクワクします」
人をドキドキさせるもの、時代がかったようなものが持っている雰囲気が好き。
「この江戸時代の日本家屋もそうですね。この空間が好きすぎて、ちょっとした古民家風の旅館に泊まってもあんまりドキドキしない。……今、ドキドキすることですか? 窯出しする時かなあ。夜通し焼き続けた翌朝、早起きしてどんなふうに焼きあがっているか見る瞬間はワクワクします」
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Masae Wako
わこ まさえ 編集者・ライター。インテリアと手仕事と建築と日本美術にまつわる雑誌の仕事が中心。カーサブルータス本誌では〈かしゆか商店〉番頭。
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