CULTURE
【本と名言365】岡本太郎|「ぼくが芸術というのは…」
February 5, 2024 | Culture, Art | casabrutus.com | photo_Miyu Yasuda text_Ryota Mukai illustration_Yoshifumi Takeda design_Norihiko Shimada(paper)
これまでになかった手法で新しい価値観を提示してきた各界の偉人たちの名言を日替わりで紹介。《太陽の塔》〈明日の神話〉などで知られる芸術家・岡本太郎。時代をアジテーションし続けた彼の言葉の数々に、今でも圧倒されてしまう。
ぼくが芸術というのは生きることそのものである。
1930年代のパリでシュルレアリスム運動などに参画し、戦後は日本で前衛芸術運動を展開。70年の大阪万博ではテーマ展示プロデューサーとして携わり、ご存知《太陽の塔》を制作した岡本太郎。本書『自分の中に毒を持て』は88年に刊行している。77歳になる年だ。生と死、愛、人生などにまつわる言葉の数々は年齢を重ねたからこそシンプル。それと同時に、タイトルのとおり挑発的でもある。
それは、かの名言をひもとく「“爆発”の秘密」と題された一節の、こんな文にも表れている。
「ぼくが芸術というのは生きることそのものである。人間として最も強烈に生きる者、無条件に生命をつき出し爆発する、その生き方こそが芸術なのだということを強調したい」
芸術は生きること、と至ってシンプルな言葉であると同時に、最も強烈に生きよと発破をかけられているようでもある。
生き方のような壮大なテーマを語るだけではない。会社を辞めたいと悩むサラリーマンへの助言などが収まっているのも本書が人を惹きつけ続けている所以。モーパッサン、トルストイ、ツルゲーネフなど幼少期以来の読書体験や、パリ留学時のジョルジュ・バタイユとの対話、両親、瀬戸内寂聴、坂本九らとの小さなエピソードの数々なども読みどころだ。
1930年代のパリでシュルレアリスム運動などに参画し、戦後は日本で前衛芸術運動を展開。70年の大阪万博ではテーマ展示プロデューサーとして携わり、ご存知《太陽の塔》を制作した岡本太郎。本書『自分の中に毒を持て』は88年に刊行している。77歳になる年だ。生と死、愛、人生などにまつわる言葉の数々は年齢を重ねたからこそシンプル。それと同時に、タイトルのとおり挑発的でもある。
それは、かの名言をひもとく「“爆発”の秘密」と題された一節の、こんな文にも表れている。
「ぼくが芸術というのは生きることそのものである。人間として最も強烈に生きる者、無条件に生命をつき出し爆発する、その生き方こそが芸術なのだということを強調したい」
芸術は生きること、と至ってシンプルな言葉であると同時に、最も強烈に生きよと発破をかけられているようでもある。
生き方のような壮大なテーマを語るだけではない。会社を辞めたいと悩むサラリーマンへの助言などが収まっているのも本書が人を惹きつけ続けている所以。モーパッサン、トルストイ、ツルゲーネフなど幼少期以来の読書体験や、パリ留学時のジョルジュ・バタイユとの対話、両親、瀬戸内寂聴、坂本九らとの小さなエピソードの数々なども読みどころだ。
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