CULTURE
【本と名言365】エットレ・ソットサス|「デザインに対して配慮されるべきことは、…」
November 22, 2023 | Culture | casabrutus.com | photo_Miyu Yasuda text_Mariko Uramoto illustration_Yoshifumi Takeda design_Norihiko Shimada(paper)
これまでになかった手法で新しい価値観を提示してきた各界の偉人たちの名言を日替わりで紹介。イタリアを代表する建築家・デザイナー、エットレ・ソットサス。機能性ではなく、プレイフルなデザインを追求した理由を彼の名言からひもときます。
デザインに対して配慮されるのは、儀式の進行を促進できるオブジェに限られている。
磯崎新や倉俣史朗、ミケーレ・デ・ルッキなど多国籍なクリエイター約20人で構成された「メンフィス」。それぞれが今までにないデザイン手法をとって活動し、世界のデザイン界、建築界に衝撃を与えた。そのデザイナー集団を率いて、自身も建築家・デザイナーとしてマルチな才能を発揮したのがエットレ・ソットサスだ。カラフルな色使いとユニークな形状の家具やオブジェはファッションデザイナーやミュージシャンなどジャンルを超えて大きな影響を与えた。その一方で、あまりに先鋭的な表現であったため「バウハウスとフィッシャープライスのショットガンウェディング」と評されたり、「悪趣味なポストモダン」と議論を呼ぶこともあった。
1990年、〈ヤマギワ〉で発表した照明器具の数々はポストモダンが色濃く反映されたアーティスティックなデザイン。新作照明の展示に合わせて刊行した作品集『エットレ・ソットサス:アドバンスト・スタディズ 1986/1990』で、ソットサスはこう語っている。「デザインに対して配慮されるのは、儀式の進行を促進できるオブジェ、すなわち、もろく、はかなく、不合理で危うい状態から、凝縮され目覚めた強烈で忘れがたい状態に自らを移行させることのできるオブジェに限られている」。機能性や規則にとらわれず、エモーショナルな感情を呼び起こすこと。ソットサスの作品は、実用性のみを重視する思想への反発のシンボルとして今なお強い存在感を放っている。
磯崎新や倉俣史朗、ミケーレ・デ・ルッキなど多国籍なクリエイター約20人で構成された「メンフィス」。それぞれが今までにないデザイン手法をとって活動し、世界のデザイン界、建築界に衝撃を与えた。そのデザイナー集団を率いて、自身も建築家・デザイナーとしてマルチな才能を発揮したのがエットレ・ソットサスだ。カラフルな色使いとユニークな形状の家具やオブジェはファッションデザイナーやミュージシャンなどジャンルを超えて大きな影響を与えた。その一方で、あまりに先鋭的な表現であったため「バウハウスとフィッシャープライスのショットガンウェディング」と評されたり、「悪趣味なポストモダン」と議論を呼ぶこともあった。
1990年、〈ヤマギワ〉で発表した照明器具の数々はポストモダンが色濃く反映されたアーティスティックなデザイン。新作照明の展示に合わせて刊行した作品集『エットレ・ソットサス:アドバンスト・スタディズ 1986/1990』で、ソットサスはこう語っている。「デザインに対して配慮されるのは、儀式の進行を促進できるオブジェ、すなわち、もろく、はかなく、不合理で危うい状態から、凝縮され目覚めた強烈で忘れがたい状態に自らを移行させることのできるオブジェに限られている」。機能性や規則にとらわれず、エモーショナルな感情を呼び起こすこと。ソットサスの作品は、実用性のみを重視する思想への反発のシンボルとして今なお強い存在感を放っている。
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