CULTURE
【本と名言365】クロード・モネ|「私が表現しようとしているのは…」
October 24, 2023 | Culture | casabrutus.com | photo_Miyu Yasuda text_Mariko Uramoto illustration_Yoshifumi Takeda design_Norihiko Shimada(paper)
これまでになかった手法で、新しい価値観を提示してきた各界の偉人たちの名言を日替わりで紹介。印象派の中で最も有名な画家の1人、クロード・モネ。250枚以上の《睡蓮》シリーズなど、同じモチーフを繰り返し描いていた理由には、モネの芸術的な視点と自然への深い愛情が感じられます。
私が表現しようとしているのは、私とモチーフの間で展開されるものなのです
印象派の美学を確立した1人として、後の美術界に多大な影響を与えたクロード・モネ。《睡蓮》や《積みわら》など同じモチーフを異なる条件下で繰り返し描くシリーズ制作を行ったことで知られるが、その理由をインタビューでこう答えている。「私にとってモチーフそのものは、もはやあまり重要ではありません。私が表現しようとしているのは、私とモチーフの間で展開されるものなのです」。
モネとモチーフの間で展開されるもの、それは「変化」だ。モネは無限の美しさを秘めた自然を愛し、自然が変わる姿に強い生命力を感じていた。朝と夕方、春夏秋冬など時間と季節の移ろい、光の変化によって刻々と移り変わる風景を観察し、それをキャンバスに映し出そうと努めた。同じモチーフを異なる条件下で何度も描くことで、一瞬の印象を捉え、自然の魅力を表現できると信じていたのだ。そうした追求が従来の風景画を根底から覆すことになった。モネが確立した印象派のスタイルは、対象を詳細に描くのではなく、ラフでリズミカルに絵の具を置くことで、刻々と移り変わる風景の美しさを映し出す。
モネは「すべては変千万化する、石でさえも」という言葉を残している。なんの変化もないような風景であっても、モネの目を通してみれば、光線や季節、時間の移ろいによって絶え間なく変化しているのであり、それを捉えることでモネの絵画は動的で生き生きとしたものとなった。
印象派の美学を確立した1人として、後の美術界に多大な影響を与えたクロード・モネ。《睡蓮》や《積みわら》など同じモチーフを異なる条件下で繰り返し描くシリーズ制作を行ったことで知られるが、その理由をインタビューでこう答えている。「私にとってモチーフそのものは、もはやあまり重要ではありません。私が表現しようとしているのは、私とモチーフの間で展開されるものなのです」。
モネとモチーフの間で展開されるもの、それは「変化」だ。モネは無限の美しさを秘めた自然を愛し、自然が変わる姿に強い生命力を感じていた。朝と夕方、春夏秋冬など時間と季節の移ろい、光の変化によって刻々と移り変わる風景を観察し、それをキャンバスに映し出そうと努めた。同じモチーフを異なる条件下で何度も描くことで、一瞬の印象を捉え、自然の魅力を表現できると信じていたのだ。そうした追求が従来の風景画を根底から覆すことになった。モネが確立した印象派のスタイルは、対象を詳細に描くのではなく、ラフでリズミカルに絵の具を置くことで、刻々と移り変わる風景の美しさを映し出す。
モネは「すべては変千万化する、石でさえも」という言葉を残している。なんの変化もないような風景であっても、モネの目を通してみれば、光線や季節、時間の移ろいによって絶え間なく変化しているのであり、それを捉えることでモネの絵画は動的で生き生きとしたものとなった。
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