CULTURE
寺尾次郎がゴダールを新訳。ネット時代の字幕とは?
July 9, 2016 | Culture | a wall newspaper | photo_Nozomu Toyoshima(portrait) text_Keisuke Kagiwada editor_Yuka Uchida special thanks_Institut français du Japon-Tokyo
『勝手にしやがれ』と『気狂いピエロ』がリバイバル。“ゴダールのイタコ”になったという寺尾次郎の仕事に迫る。
字幕は時代ごとに変わっていいんです。
ヌーベルバーグの旗手、ジャン=リュック・ゴダールの代表作である『勝手にしやがれ』と『気狂いピエロ』が、デジタルリマスターでスクリーンに蘇る。そこで両作の字幕翻訳を新たに手がけた寺尾次郎にアンスティチュ・フランセ東京で話を聞いた。
Q 今回新たな訳を手がけることになった理由は?
いちばんの理由は、現在手軽に買える『気狂いピエロ』のDVDの字幕がイマイチだから(笑)。といっても、過去には山田宏一さんたちの素晴らしい訳もあるわけで、当初は私がやるなんて無謀だと思いました。でも、村上春樹さんがレイモンド・チャンドラーの『ロング・グッドバイ』を新訳したとき、あとがきに書いていたんです。“訳は家みたいなもの。時間が経ったらその時代に合うように改築していいと思う”と。この2作も以前の翻訳から数十年たっているので、そろそろ直してもいいのかなと思い、担当しました。
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