CULTURE
最新作公開記念。ウディ・アレンに緊急インタビュー!
June 27, 2020 | Culture | casabrutus.com | photo_Jessica Miglio text_Mika Yoshida & David G. Imber
最新作『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』の日本公開を間近に控える、映画監督ウディ・アレン。インタビュー嫌いでも知られる彼が、なんと今回特別にインタビューを受けてくれました! インスピレーションの源は? コロナウィルスの影響下でどんな日々を過ごしてる? 主演のティモシー・シャラメとの出会いは? などなど、気になる話をたっぷり聞きました。
●ウディ・アレンがNYに帰ってきた!
主人公は生粋のマンハッタン子、ギャツビー(ティモシー・シャラメ)。アリゾナ出身のガールフレンド、アシュレー(エル・ファニング)にとびきりのNYを案内しようとデートプランを練るものの、運命のいたずらで2人は思わぬ方向へ……? ロマンチックコメディ、『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』はウディ・アレンが久々に地元NYで撮った作品だ。── ここしばらく、パリやロンドンが舞台の作品が続いていましたね。
フランスとかスペインとか、とにかくヨーロッパから声がかかるんだ、こっちで作りませんかってね。実はこの作品も、最初はパリで撮る予定だったんだ。
──そうでしたか!
うちの妻がまた海外好きだから、2人してNYをちょっと離れてよその街で仕事をしながらしばらく過ごし、また戻るというパターンになっている。特にロンドンは同じ英語圏でレストランやシアターも充実しているので快適だし、天候が変わりやすいおかげで晴れに曇りにと色んな空が撮れる。ヨーロッパでの仕事の誘いはどうしても多くてね……とはいえ、NYで映画を撮るのは今も変わらず好きだよ。NYだけで本当はいいくらいだ。
── ここ数年で、ディーン&デルーカ本店をはじめ長年愛されてきた店や建物の多くが惜しまれつつ姿を消しました。そこに加わったのが、新型コロナによる打撃です。この作品(2017年撮影)で、様変わりする前のNYの姿に再会できるのは感無量です。ちなみに外出制限のこの時期、貴方は著名人には珍しく郊外に「セレブ疎開」せず、ずっとNY市内で過ごされたそうですね。自粛生活はいかがですか?
参ったね。誰もがそうだと思うけど、街やレストラン、バーや野球やバスケットや劇場、すべてが恋しいよ。数日に一度は妻と1時間だけ散歩に出るが、あとは家に閉じこもりっきり。外出する際にはマスクを着けないといけない、人に近づいちゃいけない、友達に会っちゃいけない、バッタリ会っても喋っちゃいけない! 感染しても悪夢、していない人にとっても悪夢。悪夢よりも、もっとひどい。
──何か得たものはあると思います?
無いね。あえて言うなら、人々が「次に備える賢さ」を身につけた事くらいかな。
参ったね。誰もがそうだと思うけど、街やレストラン、バーや野球やバスケットや劇場、すべてが恋しいよ。数日に一度は妻と1時間だけ散歩に出るが、あとは家に閉じこもりっきり。外出する際にはマスクを着けないといけない、人に近づいちゃいけない、友達に会っちゃいけない、バッタリ会っても喋っちゃいけない! 感染しても悪夢、していない人にとっても悪夢。悪夢よりも、もっとひどい。
──何か得たものはあると思います?
無いね。あえて言うなら、人々が「次に備える賢さ」を身につけた事くらいかな。
●今もこよなく愛してやまない往年の名画、そして昔の音楽。
──家では何をして過ごしています?ジャズやクラシックの名盤を聴いている。そういえば昨日たまたま、ニーノ・ロータの『交響曲第一番』を聴いていた。フェリーニ作品や『ゴッドファーザー』など映画音楽で有名なニーノ・ロータが、こんなに素晴らしいクラシックも作曲していたのか、と驚いたね。小説では、ダニエル・デフォーの『モル・フランダーズ』を読み終えたばかりだ。いつか読もうと思っていた古典中の古典をようやくね。あとはターナー・クラシック(往年の名画専門チャンネル)で『カサブランカ』のような古い映画ばかり観ている。『黄金』(1948年/監督ジョン・ヒューストン、主演ハンフリー・ボガート)は、やはり世紀の名作だねえ。マイケル・ジョーダンのドキュメンタリーも良かったな。
──貴方の映画で主人公を演じる俳優は、みなウディ・アレンに「なりきる」のが常ですが、『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』のティモシー・シャラメも見事ですね。
美術監督を長年やってくれているサント・ロカストから「ダウンタウンで舞台の仕事をしたんだが、すごい俳優がいた。会った方がいい!」って勧められたんだ。本人に会ってみたところ、素晴らしく演技が上手いので抜擢した。僕はラッキーだったね。
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