ART
西野達の《ホテル裸島》宿泊受付中! 海に浮かぶ小学校のお隣です。
September 15, 2017 | Art | casabrutus.com | text_Naoko Aono editor_Keiko Kusano
世界各地にホテルやリビングルームを出現させているアーティスト、西野達。彼の新作は「海に浮かぶホテル」です。ちょっとしたリゾート気分も味わえるホテルに泊まりに行ってみませんか?
熊本県南部に位置する津奈木町は、天草の対岸にも近い海辺の町。その廃校になった小学校の近くに、西野達のアートが出現する。西野はシンガポールの「マーライオン」の周りを囲んでホテルにしてしまったり、〈21_21 DESIGN SIGHT〉の安藤忠雄建築にカプセルホテルを作ったりと世界中のモニュメントや有名建築に仮設のホテルやリビングルームを作っているアーティスト。今回は海上にホテルを作る。海の上に小さな部屋が浮かんでいるようなホテルだ。
なぜ海上に? その理由は「海の上の小学校」として知られる「赤崎小学校」だ。コンクリートの柱が伸び、その上に校舎が載っている。満潮になると校舎が海の上に浮かぶ、おそらく日本で唯一の学校だ。残念ながら耐震性などの問題があり、2010年に閉校になった。
西野はこの稀有な建築にオマージュを捧げるべく、赤崎小学校の近くに、柱の上に小さな家が載ったようなホテルを作る。名称は《ホテル裸島》。「裸島」の名は干潮になると旧赤崎小学校から歩いていける島の名前からとった。《ホテル裸島》には赤崎小学校の建材を使用、懐かしい記憶を甦らせる。
西野はこの稀有な建築にオマージュを捧げるべく、赤崎小学校の近くに、柱の上に小さな家が載ったようなホテルを作る。名称は《ホテル裸島》。「裸島」の名は干潮になると旧赤崎小学校から歩いていける島の名前からとった。《ホテル裸島》には赤崎小学校の建材を使用、懐かしい記憶を甦らせる。
合わせて、津奈木町役場付近には《達仏》が設置される。今ではほとんど利用されなくなってしまった森の生木に23体の仏像を彫り、森に活気と霊気を取り戻そうというものだ。森が丸ごとアート作品になる。
《ホテル裸島》と《達仏》は、津奈木町にある〈つなぎ美術館〉が2008年から進めてきた住民参画型アートプロジェクトの一環として行われる。人口5,000人に満たない小さな町に人々の記憶が集まり、また広がっていくアートだ。
《ホテル裸島》と《達仏》は、津奈木町にある〈つなぎ美術館〉が2008年から進めてきた住民参画型アートプロジェクトの一環として行われる。人口5,000人に満たない小さな町に人々の記憶が集まり、また広がっていくアートだ。
西野 達 ホテル裸島 リゾート・オブ・メモリー
熊本県葦北郡津奈木町内(旧赤崎小学校付近、津奈木町役場付近)。10月7日〜 12月5日。《ホテル裸島》は日中、観覧を受け付けているほか、1日1組限定で宿泊も可能。宿泊には諸条件があり予約が必要。詳細は公式サイトにてご確認を。