ART
『KYOTOGRAPHIE』積み重なる時間がプリントされた写真を、京都で観る。
April 30, 2017 | Art, Travel | casabrutus.com | photo&movie_Takuya Neda text_Naoko Aono editor_Keiko Kusano
京都で行われる、日本でも数少ない本格的なフォト・フェスティバル『KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭』。今年で5回目になるこのフェスティバル、回を重ねるごとにパワーアップしてきました。会場になる寺や町家、近代建築など建築的みどころも満載。伝統の街、京都の一味違う楽しみ方をご紹介します。
毎年テーマを決めて行われる『KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭』。今年は16の会場で14の個展と2つのグループ展が開かれている。今回のテーマは「LOVE」。「残念ながらハッピーでないできごとも多かった2016年の状況からつけました」と共同代表の一人、仲西祐介は言う。
『TOILETPAPER』
「LOVE」にもいろいろな形があるが、日本独特と思われる愛の空間、ラブホテルを思わせるインスタレーションを展開しているのが『TOILETPAPER』。アーティスト、マウリツィオ・カテランとファッション写真家、ピエールパオロ・フェラーリが2010年に創刊したアート雑誌だ。会場となった〈ASPHODEL〉は床も壁も天井もぎっしりとグラフィックに囲まれている。
「アートを民主化したいんだ」とフェラーリは言う。
「美術館の展示室で額縁に収まったアートを見るのとは違う、アートに包み込まれる体験をしてほしい」。
「アートを民主化したいんだ」とフェラーリは言う。
「美術館の展示室で額縁に収まったアートを見るのとは違う、アートに包み込まれる体験をしてほしい」。
荒木経惟
建仁寺塔頭の両足院は回遊式庭園が美しい寺だが、通常は非公開だ。『KYOTOGRAPHIE』の期間中、特別公開されるこの空間で展示されているのは荒木経惟の「机上の愛」。畳の上に書見台が並ぶ、学び舎のような会場構成が面白い。「机上の愛」は先にパリで発表された「机上の楽園」を改題したもの。「地上の楽園」「至上の愛」、さまざまなフレーズの本歌取りになっている。
咲き誇る花、バラバラになった人形のパーツは愛だけでなく死を色濃く思わせる。荒木は一貫して生と死、エロスとタナトスをテーマにしてきた。生きることのすぐ裏側に死がある。寺という場所が、そのことを一層強く感じさせる。
咲き誇る花、バラバラになった人形のパーツは愛だけでなく死を色濃く思わせる。荒木は一貫して生と死、エロスとタナトスをテーマにしてきた。生きることのすぐ裏側に死がある。寺という場所が、そのことを一層強く感じさせる。
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