ART
光と空間を操る作家・玉山拓郎が召喚した、〈豊田市美術館〉を貫く巨大な“なにか”。
『カーサ ブルータス』2025年3月号より
| Art | a wall newspaper | photo_Kohei Omachi, Toyota Municipal Museum of Art text_Housekeeper
豊田市美術館の空間を贅沢に支配する黒い物体。玉山拓郎がもたらした新しい美術館体験とは?
美術館建築の名手・谷口吉生による設計の豊田市美術館で、アーティスト・玉山拓郎による展覧会『FLOOR』が開催中だ。5つの展示空間をたった1つの作品が貫くインスタレーションと、豊かな自然光を取り込む谷口建築とのコラボレーションについて玉山がインタビューに応じてくれた。
「谷口建築といえば豊田市美術館と思うほどに印象を持っています。よく観察すると、それぞれの空間に異なるボリュームが存在していて、順路のような流れがありながら、1つの空間として繋がっていることに気づきました。それらの形に素直な感覚で従い、物体の位置や傾斜が決まっていきました」
「谷口建築といえば豊田市美術館と思うほどに印象を持っています。よく観察すると、それぞれの空間に異なるボリュームが存在していて、順路のような流れがありながら、1つの空間として繋がっていることに気づきました。それらの形に素直な感覚で従い、物体の位置や傾斜が決まっていきました」
“FLOOR” つまり “床” と言える物体を覆うのは深いグレーのカーペット。存在感を放ちながらも、柔らかく光を吸収し空間に馴染む。
時間の流れによって、差し込む太陽光に変化が生まれ、空間の見え方が変わるのも本展の魅力だ。
空間を満たす音響は作品を導入した時の環境音を録音し引き伸ばしたもの。洞窟を覗き込んだようなダイナミックな奥行きを感じさせるアンビエントな音が流れる。
時間の流れによって、差し込む太陽光に変化が生まれ、空間の見え方が変わるのも本展の魅力だ。
空間を満たす音響は作品を導入した時の環境音を録音し引き伸ばしたもの。洞窟を覗き込んだようなダイナミックな奥行きを感じさせるアンビエントな音が流れる。
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