ART
カールステン・ニコライの錯視と音の世界へ。
April 3, 2017 | Art | casabrutus.com | photo_Takuya Neda text_Naoko Aono editor_Keiko Kusano
アルヴァ・ノト名義でミュージシャンとしても活動するカールステン・ニコライが千葉県の市原湖畔美術館で個展開催中! オープニングに合わせて来日した彼に聞きました。
展覧会のタイトルは「Parallax パララックス」。「視差」という意味だ。
「左右二つの眼はそれぞれ違うものを見ていて、それを脳の中で組み合わせることで一つのものと認識している。異なる二人の人間も異なる視差を持つ。展覧会タイトルはそのことを表している」
「左右二つの眼はそれぞれ違うものを見ていて、それを脳の中で組み合わせることで一つのものと認識している。異なる二人の人間も異なる視差を持つ。展覧会タイトルはそのことを表している」
二つのフロアに分かれた展覧会場には全部で5つのシリーズが並ぶ。彼は鮮やかな色彩の作品もつくっているが、今回の作品はすべて白と黒のモノクロームだ。
「それぞれ単体でも、また全体としても鑑賞できるようにした。いくつかの作品には音がついているけれど展示室はオープンだから、互いに他の作品の音も聞こえてくる」
会場に来た観客は個々の作品を鑑賞しながら展示室を移動していくことになる。自らが動きながら彼のアートを体験する、その一連の時間も別の作品になる。作品どうしのつながりから新しいアートが生まれてくるのだ。
「それぞれ単体でも、また全体としても鑑賞できるようにした。いくつかの作品には音がついているけれど展示室はオープンだから、互いに他の作品の音も聞こえてくる」
会場に来た観客は個々の作品を鑑賞しながら展示室を移動していくことになる。自らが動きながら彼のアートを体験する、その一連の時間も別の作品になる。作品どうしのつながりから新しいアートが生まれてくるのだ。
最初の展示室の《ユニディスプレイ》はカーブした壁いっぱいに広がる映像インスタレーション。テレビのテストパターンのような模様が入れ替わりながら動いていく。映像パターンは全部で24、それぞれ違う音がついている。映像によってモアレが起きたり、直線のはずものラインが曲がって見えたり、距離の感覚が失われたりする。両脇の壁は鏡になっていて、空間が無限に広がっていくように感じられる。
「私たちが見ているものは何か、現実を認知するために私たちが何を追加しているのか。そういったことがテーマになっている」
「私たちが見ているものは何か、現実を認知するために私たちが何を追加しているのか。そういったことがテーマになっている」
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