ART
約20年ぶりの大回顧展が開催中! ホンマタカシが語る、伝説の写真家・中平卓馬。
『カーサ ブルータス』2024年3月号より
February 21, 2024 | Art | a wall newspaper | text_Keiko Kamijo
約20年ぶりとなる大回顧展が開催されている中平卓馬。晩年、彼の写真を撮り続けたホンマに、その魅力を尋ねた。
写真家・中平卓馬とは、どんな作家だったのか。〈東京国立近代美術館〉にて、没後初であり約20年ぶりの大回顧展『中平卓馬 火―氾濫』が開催されている。
中平卓馬の名を、ホンマタカシの写真集とドキュメンタリー映画の『きわめてよいふうけい』で知ったという人はきっと少なくない。ホンマがその制作で中平の自宅に通っていた2000年当時、彼は作品発表もしておらず、写真界からも特に注目されてはいなかった。
「中平さんの日常を撮影してるという話を篠山(紀信)さんにしたら、『寝た子は起こすな』って言われたんだよね」とホンマは語る。
中平卓馬の名を、ホンマタカシの写真集とドキュメンタリー映画の『きわめてよいふうけい』で知ったという人はきっと少なくない。ホンマがその制作で中平の自宅に通っていた2000年当時、彼は作品発表もしておらず、写真界からも特に注目されてはいなかった。
「中平さんの日常を撮影してるという話を篠山(紀信)さんにしたら、『寝た子は起こすな』って言われたんだよね」とホンマは語る。
なぜホンマは、そこまで中平卓馬に惹かれたのだろうか。
「完全に僕の趣味嗜好なんだけど、実制作だけじゃなくて言説も含めて、本人の存在自体に興味があった。『なぜ、植物図鑑か』に書いてあったことは、『東京郊外』にまさしく通ずるし、僕が90年代に考え続けてきたことと繋がった」
中平は大学卒業後、月刊誌『現代の眼』編集部に勤務。映画評の依頼をきっかけに東松照明と出会い写真に関心を持ち、詩か写真かを迷ったあげく写真家になる。その後、1968年に批評家の多木浩二らとともに同人誌『PROVOKE(プロヴォーク)』を創刊。サブタイトルは「思想のための挑発的資料」で、2号からは森山大道が参加した。掲載された写真は「アレ、ブレ、ボケ」と呼ばれる不鮮明なイメージであった。
「完全に僕の趣味嗜好なんだけど、実制作だけじゃなくて言説も含めて、本人の存在自体に興味があった。『なぜ、植物図鑑か』に書いてあったことは、『東京郊外』にまさしく通ずるし、僕が90年代に考え続けてきたことと繋がった」
中平は大学卒業後、月刊誌『現代の眼』編集部に勤務。映画評の依頼をきっかけに東松照明と出会い写真に関心を持ち、詩か写真かを迷ったあげく写真家になる。その後、1968年に批評家の多木浩二らとともに同人誌『PROVOKE(プロヴォーク)』を創刊。サブタイトルは「思想のための挑発的資料」で、2号からは森山大道が参加した。掲載された写真は「アレ、ブレ、ボケ」と呼ばれる不鮮明なイメージであった。
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