ART
多様化する「人間像」をアートで俯瞰する。大林コレクションを中心に、ポートレート・人物画の展示が開催。
August 18, 2023 | Art | casabrutus.com | text_Housekeeper
古来より普遍的なテーマである「人間を描くこと」にフォーカスした『Portraits』展が、三井住友銀行東館1Fの〈アース・ガーデン〉で2023年8月25日〜10月20日まで開催。現代作家から古美術まで、大林コレクションから33点、SMBCコレクションから3点を展示する。
「人を描く」表現の起源は、石器時代の洞窟壁画にまで遡る。時を経て20世紀以降、美術は抽象絵画からコンセプチュアル・アートまで、表現の幅を多様化させてきた。その歴史を俯瞰し、普遍的なテーマである「人間」について探る『Portraits』展が2023年8月25日から〈三井住友銀行東館1Fアース・ガーデン〉にて開催。大林財団理事長・大林剛郎氏による「大林コレクション」を中心に、杉本博司、シンディ・シャーマンやライアン・ガンダーなど現代美術作家30名の作品から、古美術の軸まで、ポートレイトや人物像をテーマに展示する。
展示について大林氏は、「長年にわたって現代美術の収集を続けてきましたが、今なお多くの作家が『人間を描く』というテーマに新しい表現の可能性を見出していることに驚かされます」とコメント。
「マスメディアを通じて多くのイメージが流通する現代において、何らかの『メディア化された人物』を表現することで複数化するアイデンティティ、虚構と現実の混淆といったテーマに目を向ける作家たちがいます。また美術史上の人物画を参照しながら独自の世界を作り上げるアーティストたちも私にとって興味深いものです。彼らの作品はそれ自体が、過去と現在の対話となっています」
「マスメディアを通じて多くのイメージが流通する現代において、何らかの『メディア化された人物』を表現することで複数化するアイデンティティ、虚構と現実の混淆といったテーマに目を向ける作家たちがいます。また美術史上の人物画を参照しながら独自の世界を作り上げるアーティストたちも私にとって興味深いものです。彼らの作品はそれ自体が、過去と現在の対話となっています」
展覧会は過去から現在に至る3つのセクションで構成され、最初は18〜20世紀前半の古典的な人物画、次に1970年代以降にキャリアを築いた作家たちの写真を用いた作品、最後は2000年代以降に注目を集めるようになった若い世代の作家を中心に展示する。長い時間で変遷してきた人間表現と多様性を、アートを通じて実感できる展示だ。
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