ART
カール・ラガーフェルドがとらえた、〈ヴェルサイユ宮殿〉の光と影。
January 18, 2017 | Art, Fashion | casabrutus.com | text_Aya Hasegawa editor_Akio Mitomi
〈シャネル・ネクサス・ホール〉で、カール・ラガーフェルドの写真展『太陽の宮殿 ヴェルサイユの光と影』が開催中だ。
〈シャネル〉など多くのブランドを手がけるデザイナーとしてだけではなく、写真家としても活躍しているカール・ラガーフェルド。『太陽の宮殿 ヴェルサイユの光と影』は、ラガーフェルドが、世界遺産にも指定されている〈ヴェルサイユ宮殿〉を光や影と戯れるようなユニークな視点で写し出した写真展だ。
本展では、2008年にヴェルサイユ宮殿で開催され好評を博した同名写真展から選りすぐりの作品を展示している。
ラガーフェルドにとって〈ヴェルサイユ宮殿〉は、「具現化されたおとぎ話の世界であり、過去のものでありながら私たちの想像力に語りかけてくるところ」。その建築を“禁断の寓話”ととらえ、時にドラマチックな物語をも思わせる映画のような世界観で表現した。
「紙こそが、私が最も好む素材」「あらゆるクリエイティヴィティの出発点」と語るラガーフェルドは紙、そして展示方法にもこだわった。プリントは羊皮紙を模した紙を使い、スクリーンプリントという古い方式によって制作。さらに本人の希望により、鑑賞者が紙の質感や画像の細部まで堪能できるよう、作品をガラスやフレーム等で額装はせず、直接壁に取り付けるというシンプルな方法で展示している。
17世紀後半に太陽王と謳われたルイ14世により建造された〈ヴェルサイユ宮殿〉が、ファッション界の帝王・ラガーフェルドの視点を通し、よりドラマチックに荘厳に表現される。
太陽の宮殿 ヴェルサイユの光と影
〈シャネル・ネクサス・ホール〉