ART
生誕125周年を迎える画家・佐伯祐三の大回顧展が東京と大阪で開催。
| Art | casabrutus.com | text_Midori Yamagata editor_Keiko Kusano
大阪で生まれ、東京で美術を学び、パリで客死した画家、佐伯祐三。パリに渡ってからの本格的な画業は4年あまりに過ぎないが、自分らしい表現を追求し、進化し続けた画家だ。今年、生誕125周年を迎える佐伯の短くも鮮烈な人生を反映した代表作が一堂に会する展覧会が2023年1月から6月まで〈東京ステーションギャラリー〉と〈大阪中之島美術館〉で順次開催される。
幼い頃から絵を描くのが好きで、高校時代に藤島武二に師事した佐伯。東京美術学校(現在の東京藝術大学)を卒業後にパリに渡り、自由主義者であるフォービスムの巨匠、ヴラマンクに罵倒されたのを機に作風を激変させる。
大回顧展は、新しい芸術を生み出すという決意も新たに、絵画を通して自分自身と向き合い続けた佐伯が独自の画風を体得するに至った過程を見つめる。佐伯が残した代表作はもちろん、最近になって再検証と再評価が行われている作品を「東京」「大阪」「パリ」で区分。また学生時代の作品も併せて展示されるので、佐伯芸術の創作の過程をつぶさに見ることができる。
大回顧展は、新しい芸術を生み出すという決意も新たに、絵画を通して自分自身と向き合い続けた佐伯が独自の画風を体得するに至った過程を見つめる。佐伯が残した代表作はもちろん、最近になって再検証と再評価が行われている作品を「東京」「大阪」「パリ」で区分。また学生時代の作品も併せて展示されるので、佐伯芸術の創作の過程をつぶさに見ることができる。
構成は5章立て。初期の作品と画風の変化を示唆する顔が削り取られた自画像《立てる自画像》を紹介する「プロローグ」から始まり、パリから一時帰国中に描いた「下落合風景」と「滞船」をテーマにした作品群を紹介する第1章。第2章では2度目のパリ滞在中に会得した独特な画風を味わえる作品に着目し、第3章ではさらなる造形を模索したヴィリエ=シュル=モラン村滞在中に描いた作品に焦点を当てる。そして晩年に描かれた作品を展示した「エピローグ」で締めくくる。
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