ART

トーハクの国宝、全部見に行こう！｜青野尚子の今週末見るべきアート

October 26, 2022 | Art | casabrutus.com | photo_Takuya Neda text_Naoko Aono editor_Keiko Kusano

右を向いても左を向いても国宝。国宝づくしの豪華な展覧会『東京国立博物館創立150年記念　特別展「国宝　東京国立博物館のすべて」』が東京・上野の〈東京国立博物館〉で開催中です。こんな光景が次に見られるのはいつになるかわからない、超レアな機会です。

国宝《孔雀明王像》。孔雀は毒蛇や害虫を食べるとされたことから孔雀明王は災厄を払うとして信仰された。（平安時代・12世紀、東京国立博物館蔵、展示期間：10月18日～11月13日）

国宝《虚空蔵菩薩像》。現存する虚空蔵菩薩像の中ではもっとも古いもの。金や銀の截金（きりかね。細く切った金銀箔を貼り付ける技法）文様の繊細さにうっとりさせられる。（平安時代・12世紀、東京国立博物館蔵、展示期間：10月18日～11月13日）

〈東京国立博物館〉（愛称：トーハク）は日本で最初に生まれたミュージアム。その創立150周年の節目に開かれているのが「東京国立博物館創立150年記念　特別展『国宝　東京国立博物館のすべて』」だ。

現在、同館の収蔵品は約12万件、そのうち国宝は89件ある。2022年10月現在で国宝に指定されている美術工芸品は902件なので、そのうちのおよそ1割が同館に収蔵されていることになる。「国宝展」では展示替え・巻き替えをしながら所蔵する89件の国宝をすべて見せる。これは創立150年の歴史で初めてのことだ。