ART
皆川 明が自ら写真集を出版する、気鋭の写真家・山上新平とは?
July 8, 2022 | Art, Culture | casabrutus.com | text_Yuka Uchida editor_Keiko Kusano
葛西薫、上田義彦、そして皆川 明。錚々たるクリエイターたちが今注目する、若き写真家・山上新平を知っているだろうか? 地元・鎌倉を拠点に、じっくりと被写体に向き合い、独自の世界観を構築してきた山上。その代表作である「SPECTRUM」と「The Disintegration Loops」が、この度、皆川 明自らの出版で写真集として世に発表される。皆川が惚れ込んだ、山上の表現とはいかなるものなのか?
「僕が山上さんの写真に感動したのは美しいものという存在があるのではなくて、美しいという感情によって美しさが生まれるという気づきでした」 。皆川 明は山上新平の写真の魅力をこう表現する。
モノクロームの森林は、山上の地元である鎌倉の風景。2014年から2015年にかけて制作された「SPECTRUM」シリーズで、徹底的に“被写体の命と向き合い続ける”なかで生まれたものだという。
“被写体の命と向き合い続ける”とはどういう意味か。それは、写真家自身の感情や記憶といった個人的な思いを介入させずに、ただ目の前に在るものへレンズを向ける行為だ。そうした撮影を通して、山上は被写体の命から多くのものを得たと言う。
モノクロームの森林は、山上の地元である鎌倉の風景。2014年から2015年にかけて制作された「SPECTRUM」シリーズで、徹底的に“被写体の命と向き合い続ける”なかで生まれたものだという。
“被写体の命と向き合い続ける”とはどういう意味か。それは、写真家自身の感情や記憶といった個人的な思いを介入させずに、ただ目の前に在るものへレンズを向ける行為だ。そうした撮影を通して、山上は被写体の命から多くのものを得たと言う。
「SPECTRUM」シリーズの後に制作されたのが、同じ場所をカラーで撮影した「The Disintegration Loops」シリーズだ。モノクロームからカラーへ。色という新たな要素と向き合うことで、「SPECTRUM」で写してきた被写体はまた違った表情を見せる。
そして、この2つのシリーズを、撮影から数年が経った今の感覚で再制作・再構成したのが写真集『Helix』だ。出版元は皆川 明。皆川は、それほどに山上の才能に惚れ込んでいるのだ。
そもそも皆川に山上を紹介したのは、写真家の上田義彦だという。その上田に、山上の存在を伝えたのは葛西薫。葛西も上田も若き写真家の表現に心を打たれ、その感動が次々と連鎖するように広がり、今回の写真集へと繋がっていった。
そして、この2つのシリーズを、撮影から数年が経った今の感覚で再制作・再構成したのが写真集『Helix』だ。出版元は皆川 明。皆川は、それほどに山上の才能に惚れ込んでいるのだ。
そもそも皆川に山上を紹介したのは、写真家の上田義彦だという。その上田に、山上の存在を伝えたのは葛西薫。葛西も上田も若き写真家の表現に心を打たれ、その感動が次々と連鎖するように広がり、今回の写真集へと繋がっていった。
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