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個展が開催中！長場雄に聞く、初のオイルペインティング作品が自身に与えたものとは？

June 29, 2022 | Art, Design | casabrutus.com | photo_Kenya Abe text_Akiko Miyaura

長場雄が作品集『Express More with Less』の刊行に合わせ、東京・代官山の〈Lurf MUSEUM（ルーフミュージアム）〉で個展『Pink Nude』を開催中。長場の表現の変遷が垣間見える個展のレポートと共に、今回発表したオイルペインティングの新作への思い、描く過程で見えた自分の現在地、そしてこれからのことを聞きました。

新作となる初のオイルペインティング作品。

長場雄の作品集『Express More with Less』の刊行に合わせた個展『Pink Nude』が、代官山の〈Lurf MUSEUM〉で開催中だ。作品集には『Express More with Less』（2019）、『The Last Supper』（2020）という過去2つの展覧会で発表したキャンバス作品が収録されており、本個展はその中から長場がセレクトした作品を中心に構成。貴重な原画と共に、初めて挑んだオイルペインティングによる新作も展示している。

2年前の個展で発表した大型キャンバスワーク《The Last Supper》は、長場流に《最後の晩餐》を解釈した作品。

《The Last Supper》の左右には、作品に登場する人物たちのドローイングが絵の並び通りに展示されている。

《E.T.》（左）、《John&Yoko》（右）。アメリカンカルチャーの影響を受けた作品も多い。

6月10日にオープンした〈Lurf MUSEUM〉は、面積70坪、天井高4mの開放的な空間。白壁とコンクリートの無機質でニュートラルなスペースに柔らかな光が差し込み、ほどよい余白や作品の空気感を引き出している。ギャラリーより広く、美術館より小型という規模感も心地いい。

そのメインギャラリーに足を踏み入れると、最初に目に飛び込んでくるのが、長場が影響を受けた90年代のスーパースターたちを描いた作品。〈エースホテル〉のメモ帳に描いたドローイングを、キャンバスへと写し描いたものだ。

「実は元となるメモ帳のシリーズは、自分の中に架空のアーティストを一人立てて描いているんです。彼が旅をしている中で、合間にちょっと暇を持て余し、ホテルにあったメモ帳に絵を書き溜めているという設定。だから、自分自身というより、ちょっと引いた目線で見ている部分があるんですよね」

展示空間で一際目を引くのが、全長4mのキャンバスを使った圧巻の作品《The Last Supper》。その左右には、《The Last Supper》に登場する人物たちのドローイングが展示されているのだが、絵の中の並び通りにキャンバス作品が配置されているのもにくい演出だ。