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『瀬戸内国際芸術祭2022』春会期スタート! 春うららかなアートの旅へ。
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『瀬戸内国際芸術祭2022』春会期スタート! 春うららかなアートの旅へ。

| Art, Travel | casabrutus.com | text_Naoko Aono   editor_Keiko Kusano   写真提供:瀬戸内国際芸術祭実行委員会

4月14日から始まった『瀬戸内国際芸術祭2022』春会期。瀬戸内の春を彩るアートの数々を紹介します。海や島の景色と一緒に味わいたいアートが出迎えます。

レオニート・チシコフ《月への道》、沙弥島・与島での展示。実際にバス停として使われている浦城(うらじょう)の待合で宇宙飛行士が何かを待っている。https://goo.gl/maps/yvfYo7QWfjeKbEq96 photo_Keizo Kioku
レオニート・チシコフ《月への道》、沙弥島・与島での展示。実際にバス停として使われている浦城(うらじょう)の待合で宇宙飛行士が何かを待っている。https://goo.gl/maps/yvfYo7QWfjeKbEq96 photo_Keizo Kioku
浦城のバス停から近い沖合にある〈鍋島灯台〉にもレオニート・チシコフ作品が登場。通常は立ち入り禁止の灯台内部で、100万個の星がきらめく立方体が出迎える。〈鍋島灯台〉は日本で2番目に古いと言われる灯台だ。
浦城のバス停から近い沖合にある〈鍋島灯台〉にもレオニート・チシコフ作品が登場。通常は立ち入り禁止の灯台内部で、100万個の星がきらめく立方体が出迎える。〈鍋島灯台〉は日本で2番目に古いと言われる灯台だ。
レオニート・チシコフ《月への道》、沙弥島・与島での展示。実際にバス停として使われている浦城(うらじょう)の待合で宇宙飛行士が何かを待っている。https://goo.gl/maps/yvfYo7QWfjeKbEq96 photo_Keizo Kioku
浦城のバス停から近い沖合にある〈鍋島灯台〉にもレオニート・チシコフ作品が登場。通常は立ち入り禁止の灯台内部で、100万個の星がきらめく立方体が出迎える。〈鍋島灯台〉は日本で2番目に古いと言われる灯台だ。
2010年に始まった『瀬戸内国際芸術祭』。5回目の今回も新作が多数登場、瀬戸内の海とともに楽しませてくれる。会期は前回同様、春・夏・秋の3回に分けて開催されることになった。春会期での新作が多く登場しているのは女木島、小豆島、沙弥島など。特に沙弥島は、大半の作品が春会期のみの公開となる。

●沙弥島:小さな家や小中学校に宇宙が広がる

南条嘉毅《幻海をのぞく》。家の中に砂と映像、潮の満ち引きのように増減する水が出現する。  photo_Keizo Kioku
南条嘉毅《幻海をのぞく》。家の中に砂と映像、潮の満ち引きのように増減する水が出現する。  photo_Keizo Kioku
沙弥島はもともと島だったが、埋め立てによって本州と地続きとなった土地。瀬戸内海には逆に数千年前は地続きだったけれど今は海で隔てられて島になってしまった場所もある。ナウマン象など古代の生物の化石が出土することも。近くの坂出の出身地である南条嘉毅は、そんな瀬戸内の長い歴史を1軒の家に閉じ込めたような作品を作った。
南条嘉毅《幻海をのぞく》。家の中に海が現れたかのよう。音楽は阿部海太郎が、特殊照明は鈴木泰人(OBI)が、カミイケタクヤが造形でコラボレーションしている。  photo_Keizo Kioku
南条嘉毅《幻海をのぞく》。家の中に海が現れたかのよう。音楽は阿部海太郎が、特殊照明は鈴木泰人(OBI)が、カミイケタクヤが造形でコラボレーションしている。  photo_Keizo Kioku
室内には水がたたえられ、映像が投影されて近くの五色台など瀬戸内海の海と山を凝縮したような景色が広がる。舞台となった家はかつて神戸の家具商の別荘だったもの。そこに残された家具も作品の一部となった。床に開けられた穴からは出土した貝塚が覗く。悠久の時や空間の広がりと、それに比べれば一瞬ともいえる人々の記憶や小さな家とが渾然となっている。
レオニート・チシコフ《月への道》、〈旧沙弥小中学校〉での展示。家族写真を前に思いにふける宇宙飛行士。観客が一緒に座って記念撮影ができる。  photo_Keizo Kioku
レオニート・チシコフ《月への道》、〈旧沙弥小中学校〉での展示。家族写真を前に思いにふける宇宙飛行士。観客が一緒に座って記念撮影ができる。  photo_Keizo Kioku
レオニート・チシコフ《月への道》。算数の教師であり、ロケット研究者だったコンスタンチン・ツィオルコフスキーの”工房”を作った。〈旧沙弥小中学校〉での展示。  photo_Keizo Kioku
レオニート・チシコフ《月への道》。算数の教師であり、ロケット研究者だったコンスタンチン・ツィオルコフスキーの”工房”を作った。〈旧沙弥小中学校〉での展示。  photo_Keizo Kioku
レオニート・チシコフ《月への道》、〈旧沙弥小中学校〉での展示。家族写真を前に思いにふける宇宙飛行士。観客が一緒に座って記念撮影ができる。  photo_Keizo Kioku
レオニート・チシコフ《月への道》。算数の教師であり、ロケット研究者だったコンスタンチン・ツィオルコフスキーの”工房”を作った。〈旧沙弥小中学校〉での展示。  photo_Keizo Kioku
さらに遠く、月への想いを作品にしたのはロシアのアーティスト、レオニート・チシコフだ。〈旧沙弥小中学校〉では1972年に宇宙飛行士、チャールズ・デュークが月面に置いてきた家族写真などをモチーフにしたインスタレーションが展開される。

その校庭には三日月を船に、星空を海にたとえた柿本人麻呂の歌を元にした、展望台にもなるオブジェが。海の近くの小さなバス停や、瀬戸内海で最も古い灯台である与島の〈鍋島灯台〉にも宇宙飛行士や星空をモチーフにした作品がある。その一つひとつを巡りながら、月に託した人々の想いや旅人の孤独を感じてみよう。
レオニート・チシコフ《月への道》、柿本人麻呂の短歌に捧げる作品。〈旧沙弥小中学校〉の中庭にあり、観客も上がれる展望台になっている。 photo_Keizo Kioku
レオニート・チシコフ《月への道》、柿本人麻呂の短歌に捧げる作品。〈旧沙弥小中学校〉の中庭にあり、観客も上がれる展望台になっている。 photo_Keizo Kioku
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