ART
〈弘前れんが倉庫美術館〉で池田亮司の個展が開催。
| Art | casabrutuss.com | text_Naoko Aono editor_Keiko Kusano
作曲家/アーティストとして光や音、データなどさまざまな体験を横断する作品を制作している池田亮司。〈弘前れんが倉庫美術館〉での個展では、彼が作り出すデータの海でダイナミックな空間が満たされます。
パリと日本を拠点に国際的に活躍する作曲家/アーティストの池田亮司。さまざまなテクノロジーを駆使した光や音による没入型のインスタレーションで知られる。〈弘前れんが倉庫美術館〉で開かれる個展は、国内の美術館では2009年以来になる大規模な展覧会。新作を含む近年の活動が紹介される。
電子音楽の作曲を起点としながらジャンルを横断する活動を続けてきた池田は2000年以降、「データ」に関心を寄せるようになる。0と1、DNA情報、素粒子、宇宙に関するデータなどだ。たとえば「data-verse」シリーズはNASAなど複数の科学機関が公表しているデータを収集し、それらを加工・変換して制作した映像を投影するもの。目に見えない膨大なデータが映像インスタレーションとなって鑑賞者を包み込む。
電子音楽の作曲を起点としながらジャンルを横断する活動を続けてきた池田は2000年以降、「データ」に関心を寄せるようになる。0と1、DNA情報、素粒子、宇宙に関するデータなどだ。たとえば「data-verse」シリーズはNASAなど複数の科学機関が公表しているデータを収集し、それらを加工・変換して制作した映像を投影するもの。目に見えない膨大なデータが映像インスタレーションとなって鑑賞者を包み込む。
会場の〈弘前れんが倉庫美術館〉はシードル工場や倉庫などとして使われ、建築家、田根剛の改修設計によって美術館となった建物。天井の高さ15メートルもの吹き抜けなど、ダイナミックな空間が特徴だ。各展示室の作品が有機的につながり、それぞれに共振し、共鳴する。データからデータへと旅をするような感覚が味わえるに違いない。
2022年度 春夏プログラム「池田亮司展」
〈弘前れんが倉庫美術館〉青森県弘前市吉野町2-1。2022年4月16日〜8月28日。9時〜17時。火曜休(ただし4月26日、5月3日、8月2日は開館)。一般 1,300円ほか。TEL 0172 32 8950。
池田亮司
いけだ りょうじ 1966年生まれ。電子音楽の作曲を起点にライブ・パフォーマンスやインスタレーションを発表。東京都現代美術館(2009年)、ポンピドゥー・センター(2018年)などの個展のほか、第58回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展といった国際展に参加。2018年には自身のレーベル「codex | edition」を立ち上げ、『music for percussion』(2018年)ほかの作品をリリースしている。
