ART
束芋の映像とヌーヴォーシルクが”干渉”する舞台。
March 23, 2022 | Art | casabrutus.com | text_Naoko Aono editor_Keiko Kusano
手描きのアニメーションで不条理な世界を紡ぎ出す束芋と、ヌーヴォーシルクの旗手・ヨルグ・ミュラーがコラボレーション! 身体への異なるアプローチが見たことのない舞台を生み出します。
日本の現代美術家、束芋は社会や個人の日常に潜む不条理さを独特の視点であぶり出す映像作品やインスタレーションで評価されている。近年は振付家・ダンサーの森下真樹とのコラボレーションによる『錆からでた実』など、舞台作品にも積極的に取り組んでいる。
ヨルグ・ミュラーはヌーヴォーシルク(現代サーカス)と呼ばれるジャグリング、ダンス、演劇、音楽、美術などのジャンルを超えたサーカスパフォーマンスのトッププレイヤーだ。彼のパフォーマンスの特徴はジャグリングの際のオブジェと身体、音との関係性にある。吊り下げられた金属のパイプが透き通った音を奏でる『モビール』などは、従来のサーカスの概念を軽やかに覆す。
ヨルグ・ミュラーはヌーヴォーシルク(現代サーカス)と呼ばれるジャグリング、ダンス、演劇、音楽、美術などのジャンルを超えたサーカスパフォーマンスのトッププレイヤーだ。彼のパフォーマンスの特徴はジャグリングの際のオブジェと身体、音との関係性にある。吊り下げられた金属のパイプが透き通った音を奏でる『モビール』などは、従来のサーカスの概念を軽やかに覆す。
コロナ禍のため二人のクリエイションは長期にわたるリモートでのセッションで進められ、2021年にフランスと富山で滞在制作が行われた。公演は4月に最終調整がされる富山からスタート、東京・山口・沖縄へと巡回する。
束芋はヨルグのパフォーマンスについて次のように言う。
「ヨルグさんのジャグリングでは魔法のようにオブジェに命が吹き込まれて、ひとりでに動き出す。それは常に危険と隣り合わせで、背後には緻密に切り詰められた仕組みが構築されています」
束芋はヨルグのパフォーマンスについて次のように言う。
「ヨルグさんのジャグリングでは魔法のようにオブジェに命が吹き込まれて、ひとりでに動き出す。それは常に危険と隣り合わせで、背後には緻密に切り詰められた仕組みが構築されています」
ヨルグ・ミュラーにとって今回の公演は数少ない美術とのコラボレーションになる。
「美術館で通常展示されているものとサーカスでは、鑑賞者にとっても時間軸の違いがあります。この作品でも空間芸術であるサーカスと時間芸術であるアニメーションとの間で、両者が有機的に絡み合う軸を見つけようとしました」(ヨルグ・ミュラー)
「美術館で通常展示されているものとサーカスでは、鑑賞者にとっても時間軸の違いがあります。この作品でも空間芸術であるサーカスと時間芸術であるアニメーションとの間で、両者が有機的に絡み合う軸を見つけようとしました」(ヨルグ・ミュラー)
束芋は「ヨルグさんの身体と自分の映像をあえて融合させずに、干渉させてみたい」ともいう。まったく異なるバックグラウンドを持つ二人が作り上げてきたものがいったいどんなものになるのか、その空間に立ち会うのが楽しみだ。
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