ART
テーマは「雷」。京都〈両足院〉で杉本博司の襖絵、掛軸が初公開。
September 2, 2021 | Art, Design, Travel | casabrutus.com | text_Aya Hasegawa editor_Keiko Kusano photo_Masatomo Moriyama © Hiroshi Sugimoto / Courtesy of RYOSOKU
2021年11月1日から14日までの期間中の11日間、京都府指定名勝庭園に面する〈両足院〉大書院にて、現代美術作家・杉本博司が制作した襖絵と掛軸が完全予約制で一般公開される。
臨済宗建仁寺派の塔頭寺院である〈両足院〉は、室町時代(14世紀)に開山。同院内の大書院は今から約160年前に、初夏に見頃となる半夏生(はんげしょう)で知られる池泉廻遊式庭園に面して建てられた建造物だ。杉本博司は「雷」をテーマに、大書院の襖絵《放電場》(8枚)、2つの掛軸《日々是荒日》《日々是口実》を製作した。
〈両足院〉は、通常非公開だが、11月1日から14日の期間中の11日間、特別展『杉本博司:日々是荒日(にちにちこれこうじつ)』の名のもと、完全予約制でその襖絵、掛軸を初公開。京都府指定名勝庭園を目前に、杉本作品が鑑賞できる。《光学硝子五輪塔》も展示される予定だ。
〈両足院〉は、通常非公開だが、11月1日から14日の期間中の11日間、特別展『杉本博司:日々是荒日(にちにちこれこうじつ)』の名のもと、完全予約制でその襖絵、掛軸を初公開。京都府指定名勝庭園を目前に、杉本作品が鑑賞できる。《光学硝子五輪塔》も展示される予定だ。
杉本は、一時期、ニューヨークで古美術商を営んでいた経験もあり、仏教美術にも造詣が深い。近年は、「禅人一日忽然として語を下す」で始まる大燈国師墨跡を入手したことにより、書にも目覚め、書家として、現在放送中の大河ドラマ『青天を衝け』の題字も担当した。
作品の題材となった「雷」は、科学的に電気であることが証明される以前は、神の怒り、雨をもたらす龍の化身、あるいは怨霊の祟りと考えられていたという。副住職の伊藤東凌は、「私は闇の中の光が心の中と重なって感じることが多々あり、その閃きが現代を生き抜く想像力の逞しさ、力の象徴にも思えていました」と語る。
作品の題材となった「雷」は、科学的に電気であることが証明される以前は、神の怒り、雨をもたらす龍の化身、あるいは怨霊の祟りと考えられていたという。副住職の伊藤東凌は、「私は闇の中の光が心の中と重なって感じることが多々あり、その閃きが現代を生き抜く想像力の逞しさ、力の象徴にも思えていました」と語る。
特別展:両足院大書院『杉本博司:日々是荒日(にちにちこれこうじつ)』
〈両足院〉京都府京都市東山区大和大路通四条下る4丁目小松町591。2021年11月1日~14日。10時〜15時(14時30分最終入館)、11月3日は貸切。9、11日は閉館。2,000円、定員8名(30分ごと)。事前予約制。公式サイト https://www.ryosoku.com/hiroshisugimoto にて受付中。
