固定観念から解き放たれた先にある表現。開催中の『ポコラート世界展』とは?
August 10, 2021 | Art | casabrutus.com | photo_MIAYJIMA Kei text_Akiko Miyaura editor_Keiko Kusano
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約2年をかけて独自の視点でキュレーションし、240点あまりの創作が集結した。

〈アーツ千代田 3331〉の1階ギャラリーが会場。

金髪の少女、マダム、アジアの壮年……老若男女問わず様々な人物に扮したトマシュ・マフチンスキの作品《無題》。

ハラルト・シュトファースの《無題》は、楽譜のように見えて、実は親愛なる母に当てたドイツ語の手紙。

シュトファースの思いの強さに比例し、作品の長さは6m50㎝にも及んだ。

武田拓《はし》。箸を挿したいという衝動が当時の最優先事項であり、一番の興味だったが、2ヵ月ほど続けたのち、作者はパタリと興味を示さなくなったという。

ローラ・デルヴォーの《無題》。人型の石膏像に出会って母性本能をくすぐられ、巻く、包むという行為によって制作された作品。

母を亡くし、失意のどん底にいたマルク・モレは母の遺品を集め、自分で調合したのりで固めた。母の分身でもあるこの《ママンのコラージュ》に朝晩必ず祈りを捧げたという。
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