ART
サカナクション・山口一郎さんがイサム・ノグチに惹かれる理由。
『カーサ ブルータス』2021年6月号より
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実は《あかり》コレクターとして知られ、《あかり》を使ったライブも行う山口さん。音楽作りにも影響を与えたイサム・ノグチの魅力とは?
イサム・ノグチの創造の軌跡をたどる展覧会『イサム・ノグチ 発見の道』が、8月29日まで〈東京都美術館〉で開催中だ。サカナクションのボーカル&ギターであり作詞作曲も手がける山口一郎さんは、実は《あかり》のコレクター。自身の創作活動に少なからず影響を受けたというイサム・ノグチの魅力はどんなところだろうか。
「《あかり》に出会ったのは、22歳で初めて一人暮らしを始めたとき。それまであまり知らなかったのですが、日本の伝統工芸への意識や、日本人であり、アメリカ人である立場に苦しんでいたことを知り、音楽を作るうえでインスピレーションをもらいました。それは僕にとって本当の意味でのアートとの出会いです。半世紀前のイサム作品をコレクションするようになって、自分の音楽が数世代先でも評価されるのか、自分たちが作る今の時代が50年後どう語られるのかを考えるようになりました」
「《あかり》に出会ったのは、22歳で初めて一人暮らしを始めたとき。それまであまり知らなかったのですが、日本の伝統工芸への意識や、日本人であり、アメリカ人である立場に苦しんでいたことを知り、音楽を作るうえでインスピレーションをもらいました。それは僕にとって本当の意味でのアートとの出会いです。半世紀前のイサム作品をコレクションするようになって、自分の音楽が数世代先でも評価されるのか、自分たちが作る今の時代が50年後どう語られるのかを考えるようになりました」
さらに《あかり》の魅力についてこう語る。
「“違和感”です。どんなものでも違和感がないと、人は魅力を感じないと思うんです。《あかり》は左右非対称の美学や異なる伝統の掛け合わせで心地よい違和感を作っています。自分もフォークソングをダンスミュージックと混ぜ合わせる試行錯誤をしていたので、惹かれるものがありました。
今、新しいものは、必ず懐かしいものから影響を受けていると感じます。その意味でストレートに僕らの世代に刺さるものがミッドセンチュリーで、イサムの作品はその筆頭だと思います」
今回の展示について、山口さんはイサム・ノグチの “人となり” を知ってほしいという。
「“違和感”です。どんなものでも違和感がないと、人は魅力を感じないと思うんです。《あかり》は左右非対称の美学や異なる伝統の掛け合わせで心地よい違和感を作っています。自分もフォークソングをダンスミュージックと混ぜ合わせる試行錯誤をしていたので、惹かれるものがありました。
今、新しいものは、必ず懐かしいものから影響を受けていると感じます。その意味でストレートに僕らの世代に刺さるものがミッドセンチュリーで、イサムの作品はその筆頭だと思います」
今回の展示について、山口さんはイサム・ノグチの “人となり” を知ってほしいという。
「コンスタンティン・ブランクーシや丹下健三、アントニン・レーモンドなど世界のアーティストと交流が深かったイサム。アーティストにとって重要な “人たらし” な性格だったのでしょうが、そのおかげで、当時誰も気がつかなかった素晴らしい日本文化を日本に広められたのだと思います。そうしたイサムの人物像も含めて展示を見ていただけると、プロダクトのデザインの意味もぐっと理解できて、より楽しめると思います」
なお展覧会では山口さんとのコラボ企画も進行中。イサム・ノグチがどんな音楽と接してきたか、彼の創作に音楽はどのような影響を及ぼしたのか。“イサム・ノグチと音楽” をテーマに、山口さんがイサム・ノグチを紐解くスペシャルコンテンツの予定だ。リリースは5月下旬を目指している。
なお展覧会では山口さんとのコラボ企画も進行中。イサム・ノグチがどんな音楽と接してきたか、彼の創作に音楽はどのような影響を及ぼしたのか。“イサム・ノグチと音楽” をテーマに、山口さんがイサム・ノグチを紐解くスペシャルコンテンツの予定だ。リリースは5月下旬を目指している。
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