ART
瀬戸内国際芸術祭2016〈小豆島〉新作レポート!
| Art, Architecture, Design, Travel | casabrutus.com | photo_Kunihiro Fukumori text_Naoko Aono editor_Keiko Kusano
第3回目となる瀬戸内国際芸術祭2016が、今回も3月にスタート。数ある島の中でも注目したのは、小豆島。高松のうどんとは一味違う、そうめんやオリーブと一緒に楽しめる新作を中心にご紹介します!
瀬戸内海の島々の中でも、比較的大きい小豆島は、海と山の両方が楽しめるお得な島だ。まずは土庄(とのしょう)港近くの小さな路地がくねくねと続くエリアに出かけよう。昨年の越後妻有トリエンナーレ『大地の芸術祭』でも驚きのコインランドリーを出現させたアート・ユニット「目」が、またもや異次元につながるエアポケットのような場所を作り出した。
彼らの新作は、外から見るとありふれた木造の日本家屋。が、玄関から中に足を踏み入れたとたん、白い立体迷路が広がる。降り積もった雪の中を熊がさまよって穴を開けたような細長い通路が、口を開けているのだ。かなり急な斜面を上っていくと、元の家の窓やバスタブが顔を出す。部屋一つがまるごと残されたと思しきスペースも。床、壁、天井、階段といった元々の空間構成が完全に変容していて、枝分かれした通路をさまよっていると、自分が1階にいるのか2階にいるのかわからなくなる。
《迷路のまち〜変貌自在の路地空間〜》と題されたこの作品があるエリアは、実際の街も路地が曲がりくねっていて、街そのものが迷路のよう。家の中にも外にも魔宮が広がる。この作品から少し離れたところにあるタバコ屋だった建物も、2013年の瀬戸内国際芸術祭で「目」が迷宮的なアートに変容させている。チケットは共通なので、ぜひ両方で楽しく迷ってほしい。
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