ART
あのフューチュラ2000がノグチの《AKARI》で作品を!
『カーサ ブルータス』2021年2月号より
January 18, 2021 | Art, Design | a wall newspaper | photo_photo_ShiLei Wang text_Mika Yoshida & David G. Imber
アカリはキャンバスだ! グラフィティアーティストとノグチが時を超えてコラボした展示が今、話題です。
フューチュラ2000とイサム・ノグチがコラボを遂げた! 〈ノグチ・ミュージアム〉の招きでフューチュラが取り組んだのは、《AKARI》のハンドペイントだ。ストリートグラフィティに抽象を持ち込んだ男、フューチュラの手によって名作照明は色彩の炸裂するアートピースへと生まれ変わる。この《フューチュラ・アカリ》は計11点、〈ノグチ・ミュージアム〉で現在展示中だ。
それにしても手漉き和紙と竹でできた繊細な照明に「ラクガキ」行為とは!? 実は今から50年前、アーティストがカスタマイズした《AKARI》をパリのギャラリーがチャリティー用に販売したことがある。参加作家は29名、ノグチ本人もその一人だ。ノグチにとってそもそも《AKARI》は「ユニット式で、カスタマイズでき、拡張できるもの」なのである。
それにしても手漉き和紙と竹でできた繊細な照明に「ラクガキ」行為とは!? 実は今から50年前、アーティストがカスタマイズした《AKARI》をパリのギャラリーがチャリティー用に販売したことがある。参加作家は29名、ノグチ本人もその一人だ。ノグチにとってそもそも《AKARI》は「ユニット式で、カスタマイズでき、拡張できるもの」なのである。
〈ノグチ・ミュージアム〉のシニアキュレーター、デイキン・ハートはこう語る。「多くのクリエイターが、それぞれ個人的な理由からノグチに関心を抱くことにいつも驚かされる。フューチュラの世代にとってノグチは、どの流派にも属さない非・白人アーティストという当時まだ少ない存在で、いかに世の中に真正面から作品を受け入れさせるか奮闘していた人物でもある」。LAで日米の両親の元に生まれたノグチと、NYで多人種の両親に育てられ、独学でアートを身につけたフューチュラ。様々な媒体で表現するフューチュラに、彫刻や家具デザイン、舞台装置や庭園など、ジャンルを超えて天賦の才を発揮したノグチが重なって見えても不思議ではない。
デイキンはこう続ける。「アーティストとは、市場が要求し認める活動やカテゴリーの中に収まるべきではありません。ノグチはそうしたレッテルや、こうあるべきという既成概念を嫌っていたので、フューチュラが今回《AKARI》で新機軸を拓いたのを大いに喜んでいるでしょう」。先頃は「スクリーン越しではなく、直に作品を見てほしいから」とペインティングの個展も30年ぶりに開いたフューチュラ。最新の彼を《AKARI》で確かめてみたい。
デイキンはこう続ける。「アーティストとは、市場が要求し認める活動やカテゴリーの中に収まるべきではありません。ノグチはそうしたレッテルや、こうあるべきという既成概念を嫌っていたので、フューチュラが今回《AKARI》で新機軸を拓いたのを大いに喜んでいるでしょう」。先頃は「スクリーン越しではなく、直に作品を見てほしいから」とペインティングの個展も30年ぶりに開いたフューチュラ。最新の彼を《AKARI》で確かめてみたい。
Futura2000
フューチュラ2000 NY生まれ。1970年代から活躍するエアロゾル・ライティングの始祖。ルイ・ヴィトンやコム デ ギャルソンとのコラボも手がけ、昨年はナイキのスニーカーをデザイン、63,000ドルもの値が付いた。
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