ART
アイ・ウェイウェイ展|LONDON
| Art | a wall newspaper | photo & text_Megumi Yamashita
2011年に中国当局に81日間拘束され、その後も軟禁状態が続いていたアイ・ウェイウェイ。今展は4年ぶりにパスポートを返却され、自身の監修と訪問が可能になった展覧会だ。
入口中庭の枯れた巨木を組んだ作品に始まり、会場内には、1993年以降の作品が並ぶ。メイン展示の《ストレート》は、2008年の四川大地震で倒壊した手抜き工事による建物が題材だ。曲がりくねった鉄筋を約200トン買い取り、一本ずつ手作業で200回ほど叩いて真っすぐにしたものの一部が床に整然と並ぶ
壁に表示された、当局が公開しなかった5,000人余りの犠牲者名や映像と合わせ、見る者を圧倒する。拘束中に監禁されて尋問を受ける様子を鉄の箱内のジオラマで再現した作品も臨場感がある。
抑圧も脅迫もアート作品に姿を変え、増幅されたメッセージが放たれている。メイン展覧会とは別に、1階の奥のスペースでは、彼が設計した草場地のギャラリーなど建築作品の展示もある。
〈Royal Academy of Arts〉
Burlington House, Piccadilly London W1J 0BD。TEL 44 20 7300 8028。〜12月13日。10時〜18時(金〜22時)。無休。16ポンド。公式サイト