ART
浮世絵界のスターが再結集した「大浮世絵展」開催中。
November 29, 2019 | Art | casabrutus.com | text_Mariko Uramoto
喜多川歌麿、東州斎写楽、葛飾北斎、歌川広重、歌川国芳。人気浮世絵師5人の傑作を集めた『大浮世絵展』が11月19日から〈東京都江戸東京博物館〉ではじまった。
浮世絵とは江戸時代に成立した絵画様式の一つ。江戸時代初期、菱川師宣からスタートし、300年に渡って庶民層を中心に高い人気を得た。今展は江戸中期以降に活躍した歌麿、写楽、北斎、広重、国芳という5人の浮世絵師の作品が集結。会場内は1セクションに1作家の作品のみで構成し、それぞれの作風やキャラクターを丁寧に掘り下げる。
展覧会のスタートを飾るのは、美人画で一世を風靡した喜多川歌麿だ。従来の美人画=全身画という常識を打ち破り、上半身をクローズアップした構図を確立。髪の毛を一本ずつ繊細に描いた毛割や、地色の背景に雲母摺や空摺、無地の時潰しなどの技法を駆使して、独自の美しさを追求し、トップ絵師として活躍した。歌麿の美人画が高い評価を得ているのは単に美しい女性を描いたことだけではなく、一瞬の表情を捉えて、そこに気持ちや感情を込める点にあると言われている。また、髪型やきものの柄や合わせなど当時の流行を反映している点にも注目したい。
展覧会のスタートを飾るのは、美人画で一世を風靡した喜多川歌麿だ。従来の美人画=全身画という常識を打ち破り、上半身をクローズアップした構図を確立。髪の毛を一本ずつ繊細に描いた毛割や、地色の背景に雲母摺や空摺、無地の時潰しなどの技法を駆使して、独自の美しさを追求し、トップ絵師として活躍した。歌麿の美人画が高い評価を得ているのは単に美しい女性を描いたことだけではなく、一瞬の表情を捉えて、そこに気持ちや感情を込める点にあると言われている。また、髪型やきものの柄や合わせなど当時の流行を反映している点にも注目したい。
わずか10ヶ月ほどの間に140数点の浮世絵を発表したのち、姿を消した謎多き絵師、東洲斎写楽。役者の喜怒哀楽の感情を目一杯デフォルメした画風が特徴で、当時は好悪両様の反応を呼んだという。デビュー作「市川鰕蔵の竹村定之進」の背景には黒雲母摺が使われており、新人絵師がこのような高価な画材を使うのは異例で、写楽の謎のひとつとも言われている。
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