法隆寺から宇宙まで、知るほど楽しい構造デザインを学べる展覧会が〈WHAT MUSEUM〉で開催中。
『カーサ ブルータス』2024年7月号より
June 21, 2024 | Architecture | a wall newspaper | photo_Kenya Abe text_Yoshinao Yamada
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法隆寺五重塔 元大工の田村長治郎が2年をかけて図面から制作した1/10模型。名棟梁として知られる西岡常一も携わった法隆寺の「昭和の大修理」の資料を取り寄せ、当時の実測記録から数値を割り出している。法隆寺五重塔は塔の上下に通る心柱が制振構造のような動きをしていると考えられており、これは東京スカイツリーにも応用されたことで知られる。
FUGU-折紙の発想で作る超軽量膜テンセグリティ 建築構造エンジニアの下田悠太による新しい構造の提案。身体を膨らませるハリセンボンに着想を得て、膜テンセグリティを折り紙の発想で作る。世界中どこでも手に入る材料を使い、状況に合わせて簡単な施工で立ち上がる自由曲面の構造を目指した。平面の布が立体になる下田の考えはファッションなどにも援用されている。
大阪・関西万博 パビリオン 基本設計:藤本壮介+東畑建築事務所+梓設計。2025年に開催される2025年日本国際博覧会の会場シンボルとなる大屋根は、構造用集成材を部材に日本古来の貫構法を採用して建設が進む。完成すると、建築面積(水平投影面積)約60,000平米、高さ12m(外側20m)、内径約615mの世界最大級の木造建築物となる。
小国ドーム 設計:葉祥栄。杉角材5,602本を用いた木造立体トラス構法は竣工時、日本最大の木造建築として知られた。屋根はステンレス張り。
(小国ドーム)阿蘇山の裾野にある熊本県小国町は林業で知られており、地元杉材の小径木に立体トラス用ジョイントを組み合わせ、それによる三角形の集合体を組み合わせることで大空間を作り上げた。
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