ARCHITECTURE
OMA NYが語る最新作〈バッファローAKG美術館〉|吉田実香のNY通信
| Architecture | casabrutus.com | photo_Marco Cappelletti text_Mika Yoshida & David G. Imber All images courtesy of the Buffalo AKG Art Museum, OMA, and Cooper Robertson.
この夏、NY州のアップカミングな街・バッファローに誕生した〈バッファローAKG美術館〉。今訪れるべき新アートスポットとして注目を集めている同館の設計を手がけた、OMA NYの重松象平に話を聞きました。
NYからアクセスも良く、近年若者からの人気が高まる街・バッファローに、話題を呼ぶ新アートスポット〈バッファローAKG美術館〉が誕生。1862年創設の歴史ある〈オルブライト・ノックス美術館〉が、新館〈グンラック・ビル〉の増築と、〈ウィルマーズ・ビル〉〈ノックス・ビル〉という既存の2つの棟のリノベーションにより生まれ変わった。
この全体の改修を手がけたのが、重松象平率いるOMA NY。〈バッファローAKG〉の建築的な見どころは? 長い歴史をもつ美術館の増改築にあたって目指したもの、そして新たな挑戦とは何だったのか? 現地を訪れた重松に話を聞いた。
関連記事:NY州の最新デスティネーション〈バッファローAKG美術館〉へ! |吉田実香のNY通信
・従来の美術館のイメージを刷新する新館〈グンラック・ビル〉
この全体の改修を手がけたのが、重松象平率いるOMA NY。〈バッファローAKG〉の建築的な見どころは? 長い歴史をもつ美術館の増改築にあたって目指したもの、そして新たな挑戦とは何だったのか? 現地を訪れた重松に話を聞いた。
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・従来の美術館のイメージを刷新する新館〈グンラック・ビル〉
──〈ケベック国立美術館〉の〈ピエール・ラソンド・パビリオン〉や〈サザビーズNY〉をはじめ、美術館やギャラリ-、もしくはアートを見せる空間をこれまで多数設計されています。今回の〈バッファローAKG〉でチャレンジングだった点、そして最もやりがいを感じた部分について教えて下さい。
重松 〈バッファローAKG〉と同じく、〈ピエール・ラソンド・パビリオン〉も街と公園の間に位置する美術館でした。〈ピエール・ラソンド・パビリオン〉の竣工以来、美術館が担う役割は一段と進化しました。美術館建築の可能性をさらに再考察したのが、今回の〈バッファローAKG〉です。建物をただ設計するのではなく、とてつもなく素晴らしいモダンアートやコンテンポラリーアートのコレクションを誇る美術館を、歴史的に重要な意義をもつキャンパスで自分達が再定義する。これは夢でもあり、同時にチャレンジでもありました。
幸運な事に私たちはクライアントに恵まれました。〈AKG〉はアート同様、建築そしてコミュニティへも献身と情熱を注ぐ美術館で、それゆえプログラム的にも空間的にも、さらには視覚的にも、ラジカルなまでにオープンな美術館を作ることができたのですから。
極めてトランスペアレント(透明)な新館〈グンラック・ビルディング〉は、堅牢な美術館という典型から脱却した初の美術館と自負しています。コミュニティに対し開かれた美術館を目指す〈AKG〉の意思のもと、美術館の既成概念をこのように打破できたことに、大きなやり甲斐を感じています。
重松 〈バッファローAKG〉と同じく、〈ピエール・ラソンド・パビリオン〉も街と公園の間に位置する美術館でした。〈ピエール・ラソンド・パビリオン〉の竣工以来、美術館が担う役割は一段と進化しました。美術館建築の可能性をさらに再考察したのが、今回の〈バッファローAKG〉です。建物をただ設計するのではなく、とてつもなく素晴らしいモダンアートやコンテンポラリーアートのコレクションを誇る美術館を、歴史的に重要な意義をもつキャンパスで自分達が再定義する。これは夢でもあり、同時にチャレンジでもありました。
幸運な事に私たちはクライアントに恵まれました。〈AKG〉はアート同様、建築そしてコミュニティへも献身と情熱を注ぐ美術館で、それゆえプログラム的にも空間的にも、さらには視覚的にも、ラジカルなまでにオープンな美術館を作ることができたのですから。
極めてトランスペアレント(透明)な新館〈グンラック・ビルディング〉は、堅牢な美術館という典型から脱却した初の美術館と自負しています。コミュニティに対し開かれた美術館を目指す〈AKG〉の意思のもと、美術館の既成概念をこのように打破できたことに、大きなやり甲斐を感じています。
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吉田実香
よしだ みか ライター/翻訳家。ライター/インタビュアーのパートナー、デイヴィッド・G・インバーとのユニットでNYを拠点に取材執筆。『Tokyolife』(Rizzoli)共著、『SUPPOSE DESIGN OFFICE』(FRAME)英文執筆、『たいせつなきみ』(マイラ・カルマン 創元社)翻訳。
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