ARCHITECTURE
パリで謎のUFO住宅〈フトゥロ〉を発見!
May 13, 2014 | Architecture | A Wall Newspaper | photo: Olivier Bardina text: Mari Matsubara
60年代後半から少なくとも100戸は作られ、その後交信の途絶えた幻のUFO住宅がパリ最大の蚤の市へ着陸、話題を呼んでいます。
クリニャンクール蚤の市の中にあるマルシェ・ドーフィーヌにUFOが突如出現!?その正体は1968年にフィンランド人建築家マッティ・スーロネンによって考案されたモバイル住宅〈フトゥロ〉だ。グラスファイバー&ポリエステルプラスチック製、ラフな地形にも敷設可能で、組み立てに36時間しかかからない。のちに50か国で普及したのだが、73年のオイルショックで材料費が高騰、生産は打ち切りとなった。現存するのは日本、アメリカ、台湾、南アフリカ、オーストラリアなど世界に約50戸といわれている。
この幻の住宅の1つが〈ベルベット・ギャルリー〉のオーナー、ブノワ・ラモニーニョによって2005年に「発見」された。もともとこの〈フトゥロ〉はパリの西、ラ・デファンスで「Bulle(泡)」という名のレストランとして使われていたが、83年の新都市開発により撤去され郊外の空き地に放置されていた。それが見事元通りに修復され、昨年秋この場所に〝着陸〟を果たしたというわけ。この先3年間はマルシェ・ドーフィーヌの宣伝部長を務める。その効果は絶大。未来型なのにレトロ、お茶目な形の物体に、買い物客たちは必ず立ち止まって、しばし呆然。
この幻の住宅の1つが〈ベルベット・ギャルリー〉のオーナー、ブノワ・ラモニーニョによって2005年に「発見」された。もともとこの〈フトゥロ〉はパリの西、ラ・デファンスで「Bulle(泡)」という名のレストランとして使われていたが、83年の新都市開発により撤去され郊外の空き地に放置されていた。それが見事元通りに修復され、昨年秋この場所に〝着陸〟を果たしたというわけ。この先3年間はマルシェ・ドーフィーヌの宣伝部長を務める。その効果は絶大。未来型なのにレトロ、お茶目な形の物体に、買い物客たちは必ず立ち止まって、しばし呆然。
〈フトゥロ〉とは?
建築家マッティ・スーロネンが友人から可動式のスキー小屋を依頼されたのがきっかけで考案。円窓を取り付けた16枚のパネルから構成され、直径8m、天井高3.5m、全重量3t、室内の広さ約50㎡、住宅用にはベッドルーム、キッチン、バス・トイレも完備。日本では2001年に『カーサ ブルータス』が軽井沢にあった〈フトゥロ〉をデザイナーズウィークで展示、現在は群馬・前橋のフェリカ建築&デザイン専門学校に設置されている。またミカ・タニラ監督のドキュメンタリー映画『FUTURO〜北欧・謎のUFO住宅を追え』にも詳しい。
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