京都のモダン建築、いくつ知っていますか? 〈京都市京セラ美術館〉で大規模建築展が開催。
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京都に現存する明治、大正、昭和の「モダン建築」から36のプロジェクトを厳選し、全7章で展示する。写真は琵琶湖疏水から京都御所への用水を送るために作られた〈旧・御所水道ポンプ室〉。1912年宮内省内匠寮により設計された。画像提供:京都市上下水道局

1909年、たばこ王として知られる村井吉兵衛の別邸として建てられた〈長楽館(旧村井吉兵衛京都別邸)〉。設計は米国人技師のJ.M.ガーディナー。外観はルネサンス様式だが、中に入るとネオクラシック様式の食堂、ロココ様式の装飾、中国やイスラム様式の壁など部屋ごとに異なる意匠が楽しめる。画像提供:長楽館

昭和初期に広まった和洋の意匠が融合する建築様式「帝冠様式」の代表例として知られる〈大礼記念京都美術館(現・京都市京セラ美術館)〉。建築家・青木淳と西澤徹夫がリノベーションし2020年3月にリニューアルオープン。photo_Takeru Koroda

キリスト教の五大教派すべてが京都に拠点を築いていた近代初期。それに合わせ、キリスト教建築の設計を使命とした建築家、いわゆるミッショナリー・アーキテクトにより多くの建物が完成した。ドイツ人建築家、リヒャルト・ゼール設計の〈同志社クラーク記念館〉もその一例だ。画像提供:同志社大学

1926年竣工のヴォーリズ建築、〈レストラン矢尾政(現・東華菜館)〉。細部まで個性的な装飾が施されたスパニッシュバロック様式を採用。都市文化の発展に合わせた新しさと伝統的な古さがせめぎ合う建物が、今日の京都の風景を作っている。photo_京都市京セラ美術館

こちらもヴォーリズによる〈駒井家住宅〉(1972年)。「日本のダーウィン」と呼ばれた駒井卓博士(京都大学名誉教授)の私邸。明治後半になると学者や芸術家、文筆家といった人々が自然や閑静な環境を求め、都市部から郊外へ移り住んだ。画像提供:公益財団法人日本ナショナルトラスト

台形・逆台形の空間を組み合わせ、神社や合掌造りを思わせる〈国立京都国際会館〉。合理的な建築を追求し様式建築からの脱却を目指した戦前を経て、国際的な潮流を受け入れ進化させた「戦後モダニズム」の代表とも言える作品。画像提供:国立京都国際会館

帝国京都博物館(現・京都国立博物館)《表門番所正面之図 尺度二十分ノ一》1895年(明治28年)頃 重要文化財 h500×w446mm 所蔵:京都国立博物館 画像提供:京都国立博物館(※展示予定)

帝国京都博物館(現・京都国立博物館)《柱頭装飾木彫原型》1895年(明治28年)頃 重要文化財 h624×w482×d482mm 所蔵:京都国立博物館 画像提供:京都国立博物館(※展示予定)

京都大倉別邸(現・大雲院)祇園閣《模型》1928年(昭和3年)頃 h1683×w805×d805mm 制作:坂本甚太郎(建築模型師)所蔵:大倉集古館 画像提供:森美術館 photo_Takeru Koroda

長楽館(旧村井吉兵衛京都別邸)《螺鈿細工の椅子》大正時代以前 h1050×w1830×d650mm 所蔵:長楽館 photo_Fumitaka Miyoshi

同志社クラーク記念館《同志社久良留久神学館建築設計図》1892年(明治25年)重要文化財 全長約10m 所蔵:同志社大学 画像提供:同志社大学