ARCHITECTURE
渡辺謙と伊東豊雄の“心の港”に触れる〈K-port〉へ | 行くぜ、東北。
September 24, 2015 | Architecture, Food, Travel | sponsored | photo_Junpei Kato text_Nami Hotehama editor_Akio Mitomi
人と人とをつなぐ場所を作りたい――。俳優・渡辺謙が、そんな強い思いを込めて手掛けたカフェ〈K-port〉。建築家・伊東豊雄が設計を担当したこの建物が、どんな経緯で作られることになったのかを紹介します。
自然光が差し込む大きな窓からは、定期船などが行き交う気仙沼港を間近に望む、絶好のロケーション。〈K-port〉は、特産である海産物を供する店が多い気仙沼市沿岸のなかでも、窯焼きピザなどイタリアンを中心としたカフェメニューが味わえる、数少ない1軒だ。
実はここ、俳優の渡辺謙がプロデュースした店。気仙沼は、東日本大震災で甚大な被害を受けたエリアのひとつ。かつてドキュメンタリー番組でこの地を訪れて以来、地元の人たちと交流を深めていた渡辺は、震災直後から気仙沼に足を運び、被災者たちと何度も話し合い、どうしたら人々の役に立てるのかを考えたという。そして出した結論が、“心の港(port)”をプレゼントすることだった。
〈K-port〉の“K”は、気仙沼の“K”であり、絆の“K”でもあり、渡辺謙の“K”でもある。ここに来ればみんなとつながることができて、心がほっと温まる。そんな場所になってほしいという、渡辺の思いが込められている。
実はここ、俳優の渡辺謙がプロデュースした店。気仙沼は、東日本大震災で甚大な被害を受けたエリアのひとつ。かつてドキュメンタリー番組でこの地を訪れて以来、地元の人たちと交流を深めていた渡辺は、震災直後から気仙沼に足を運び、被災者たちと何度も話し合い、どうしたら人々の役に立てるのかを考えたという。そして出した結論が、“心の港(port)”をプレゼントすることだった。
〈K-port〉の“K”は、気仙沼の“K”であり、絆の“K”でもあり、渡辺謙の“K”でもある。ここに来ればみんなとつながることができて、心がほっと温まる。そんな場所になってほしいという、渡辺の思いが込められている。
設計を担当したのは、建築家の伊東豊雄。東日本大震災の被災地支援に積極的に取り組んできた伊東が、かねてより親交のあった渡辺の思いに共感し、手掛けることになったのだ。特徴的なのは、4面の屋根に対して、建物が五角形で構成されていること。その不規則な五角形の中に足を踏み入れると、建物全体に包みこまれるような居心地のよさが感じられる。ふと視線を上げると、天井には三角形のトップライトが。そこから注ぐやわらかな光は、まるで帰るべき場所へと導く灯台の灯りのようだ。
ここの看板メニューは、焼成に最適な温度とされる500度の石窯で焼き上げるピザ。モチモチとした食感が食べ応えのある一皿だ。ピッツアには〈ケセンヌマ(マリナーラ)〉、〈ケープタウン(マルゲリータ)〉など、国内屈指のマグロ漁船基地・気仙沼港にちなんで、気仙沼の漁師が立ち寄る世界各国の港の名前がつけられている。また、デザートには、渡辺謙が撮影でヨーロッパに滞在していた時によく食べていたというワッフルを、K-port流に再現したものも。3枚のワッフルに、ホイップクリーム、アイス、メイプルシロップがトッピングされて、ボリュームたっぷりだ。
そんな料理を味わいに、そして人との会話を楽しみに、〈K-port〉には若い世代からお年寄りまで、様々な人が訪れる。単なるカフェではなく、人と人とをつなぐ場所として、気仙沼に着実に根づいているようだ。
そんな料理を味わいに、そして人との会話を楽しみに、〈K-port〉には若い世代からお年寄りまで、様々な人が訪れる。単なるカフェではなく、人と人とをつなぐ場所として、気仙沼に着実に根づいているようだ。