杉本博司が撮影したのは、400年前のイタリアの風景? | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

杉本博司が撮影したのは、400年前のイタリアの風景?

〈長崎県美術館〉で11月から始まる現代美術家の杉本博司の最新企画展「クアトロ・ラガッツィ 桃山の夢とまぼろし−杉本博司と天正少年使節が見たヨーロッパ」。400年前に九州からヨーロッパに渡った4人の少年使節たちが見た風景を題材にした写真作品とそれにまつわる歴史的美術作品が展示される。

杉本博司 《ピサの斜塔》2014年。(c) Hiroshi Sugimoto, Cortesy of Gallery Koyanagi
常に新たな驚きを与えてくれる現代美術家の杉本博司が、11月23日から始まる〈長崎県美術館〉の企画展に選んだテーマは、“天正少年使節”。

1582年、イエズス会主導のもと九州のキリシタン大名がヨーロッパに派遣した日本人の少年たちのことで、彼らはポルトガル、スペイン、イタリアを訪れ、ローマ教皇や各地の有力諸侯らに謁見し、欧州中で話題になった。

時は経ち、2015年。イタリアのヴィチェンツァの劇場に訪れた際、杉本が出会ったのが16世紀末に描かれた天正少年使節の壁画。これを見たことをきっかけに少年使節のイタリアにおける足取りを調べたところ、少年たちが訪れたいくつかの場所をすでに自身が撮影していたことを知り、その後、意識的に彼らの足取りを辿って撮影を続けた。

観光地として馴染みの深いピサの斜塔もそのひとつ。近年撮影されたものと知りつつも、400年前に少年たちが観ていた景色にも見えてくるから不思議だ。

本展では、杉本が撮影した建築や風景とともに、使節の歴史的資料、関連する南蛮美術やキリシタン美術が展示され、多角的に少年たちの動向を考察できる。使節が帰港した長崎港を望みながら、近世時代の西洋と東洋の文化衝突について思いを馳せてみよう。
杉本博司 《パンテオン、ローマ》2015年。(c) Hiroshi Sugimoto, Cortesy of Gallery Koyanagi
杉本博司 《フィレンツェ大聖堂》2016年。(c) Hiroshi Sugimoto, Cortesy of Gallery Koyanagi
杉本博司《螺旋階段Ⅱ、ヴィラ・ファルネーゼ、カプラローラ》2016年 (c) Hiroshi Sugimoto, Cortesy of Gallery Koyanagi

『クアトロ・ラガッツィ 桃山の夢とまぼろし―杉本博司と天正少年使節が見たヨーロッパ』

〈長崎県美術館〉
長崎県長崎市出島町2-1 TEL 095 833 2110。11月23日〜1月27日。会期中、杉本作品を除く一部作品、資料の展示替えがあります。10時〜20時(最終入場19時30分)。1,200円(一般)、1,000円(大学生・70歳以上)、高校生以下無料。

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