ART
スーパーストラクチャーズ 新しい建築1960-1990
『カーサ ブルータス』2018年9月号より
August 13, 2018 | Art | a wall newspaper | text_Megumi Yamashita
1960年代、モダニズムの潮流に乗って現れた未来的な都市や工業的な建築案。1970年代後半になるとテクノロジーの発達で、それらは「ハイテク建築」となって体現する。
むき出しの鉄骨やダクト、ガラスのカーテンウォールなど、リチャード・ロジャースとレンゾ・ピアノによる、パリの〈ポンピドゥーセンター〉がその代表例だろう。今展会場の〈セインズベリー視覚美術センター〉も同時期に建てられたもので、ノーマン・フォスターによる初の公共建築だ。
開館40周年で企画されたこの展覧会では、ハイテク建築を中心にその先駆的なアイデアや作品を模型やドローイング、映像などでたっぷり展示する。そのほか、館内ではルーシー・リーなど秀逸な収蔵品の常設展示、建築家とのコラボで知られるステンドグラス作家ブライアン・クラークの特別展も開催中。今もって斬新で色褪せず、また美術館のあり方に革命を起こした名建築。それを存分に味わうまたとない機会だ。
〈Sainsbury Centre for Visual Arts〉UEA, Norwich NR4 7TJ, UK TEL(44)1603 593199。〜9月2日。10時〜18時(土・日〜17時)。月曜休。12ポンド。