歴史や最先端の研究を紹介『人体―神秘への挑戦―』 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

歴史や最先端の研究を紹介『人体―神秘への挑戦―』

『カーサ ブルータス』2018年4月号より

様々なデザインや建築の基準となる人体。その形や仕組みについて私たちはあくなき探究を続けてきた。その歴史や最先端の研究成果を紹介する展覧会が開かれる。

腎臓の「糸球体」。ラットの腎臓の白黒画像に着色したもの。 ©甲賀大輔・旭川医科大学/日立ハイテクノロジーズ/NHK
見どころの一つはレオナルド・ダ・ヴィンチの『解剖手稿』だ。当時は死体の解剖が禁じられていたにもかかわらず、リアリストのレオナルドは皮膚の下には何があるのかを知るため、禁を破ってスケッチを続けた。医学者アンドレアス・ヴェサリウスも人体解剖を行い、それまでの伝統に縛られない正確な解剖図譜を残した。展覧会では現代医学の基礎の一つとなった『ファブリカ』物の貴重な初版本が見られる。
男性の人体模型「キンストレーキ」。19世紀。高価な蝋の代わりに紙粘土で作った人体模型。金沢大学医学部記念館
『解剖手稿』より頭部の断面、脳と眼の結びつき部分。Royal Collection Trust / ©Her Majesty Queen Elizabeth Ⅱ 2018
『ファブリカ』の初版本。1543年。当時としては画期的に正確な解剖図。広島経済大学所蔵
男性の人体模型「キンストレーキ」。19世紀。高価な蝋の代わりに紙粘土で作った人体模型。金沢大学医学部記念館
『解剖手稿』より頭部の断面、脳と眼の結びつき部分。Royal Collection Trust / ©Her Majesty Queen Elizabeth Ⅱ 2018
『ファブリカ』の初版本。1543年。当時としては画期的に正確な解剖図。広島経済大学所蔵
18世紀になるとヨーロッパでは精巧なワックスモデルが作られる。優れた造形技術による精密さは芸術品の域だ。現代の最先端の映像技術が捉えたミクロの世界は、私たちの体内に潜む未知の光景を見せてくれる。私たちが人体を美しいと感じるのはなぜなのか、その答えの一端が見えてくる。

国立科学博物館

東京都台東区上野公園7-20 TEL 03 5777 8600(ハローダイヤル)。3月13日〜6月17日。9時〜17時(金・土〜20時)。月曜休(3月26日、4月2日、4月30日、6月11日は開館)。1,600円。