ART
故郷、松本で草間彌生の最新作と出会う。
February 9, 2018 | Art | casabrutus.com | text_Naoko Aono
昨年は国立新美術館での個展や新宿での個人美術館の開館など、大きな話題が続いた草間彌生。その勢いはまだまだ止まることはありません。3月からは彼女の故郷である長野県松本市で大規模な個展が始まります!
1929年、長野県松本市に生まれた草間彌生。彼女は幼少期から目の前に水玉や網目模様が広がるという幻覚に悩まされていた。その幻覚は今に至っても繰り返し、彼女のアートに現れる。そんな彼女の原点ともいえる場所で開かれる個展は、日本では未公開だったものや最新作を含む約180点の作品で構成されるもの。他館へは巡回せず、ここ松本でのみ見られるスペシャルな機会になる。
美術館ではまず、大型の野外作品《幻の華》と《松本から未来へ》が出迎える。展示室に入る前にもバルーン作品や水玉強迫、南瓜のオブジェが並んで草間ワールドへと観客を誘う。
美術館ではまず、大型の野外作品《幻の華》と《松本から未来へ》が出迎える。展示室に入る前にもバルーン作品や水玉強迫、南瓜のオブジェが並んで草間ワールドへと観客を誘う。
第一会場は近作のインスタレーション作品から始まる。そこから一気にタイムスリップして1957年に彼女が単身、アメリカに渡る前の貴重な作品や、ニューヨークで注目を集めるきっかけになった無限の網のシリーズ、帰国後のコラージュなどが次々と現れる。
第二会場の導入部は徐々に深くなる闇の世界だ。光と鏡による無限の世界が口を開けている。その闇を抜けると、光に満ちた大空間に「わが永遠の魂」シリーズが並ぶ。昨年の国立新美術館での個展でも話題を呼んだ、およそ2m角のダイナミックな作品だ。草間はこの大作を数日に1枚のハイペースで描き続け、その数はすでに500点以上になるという。今回並ぶのはおよそ70点、そのうち半数は日本未公開だ。
第二会場の導入部は徐々に深くなる闇の世界だ。光と鏡による無限の世界が口を開けている。その闇を抜けると、光に満ちた大空間に「わが永遠の魂」シリーズが並ぶ。昨年の国立新美術館での個展でも話題を呼んだ、およそ2m角のダイナミックな作品だ。草間はこの大作を数日に1枚のハイペースで描き続け、その数はすでに500点以上になるという。今回並ぶのはおよそ70点、そのうち半数は日本未公開だ。
展覧会の最後はこちらも日本初公開の《南瓜へのつきることのない愛のすべて》。作品の中に入って、全身で草間のアートを感じることができる。無限に広がる水玉と南瓜の空間は、私たちがふだんは意識することのない感覚を目覚めさせてくれる。
幼い頃から全力で走り続けてきた草間彌生。渾身のエネルギーが生む最新のアートを体感したい。
『草間彌生 ALL ABOUT MY LOVE 私の愛のすべて』
〈松本市美術館〉