コルビュジエ建築×リー・ウーファン、静寂の部屋。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

コルビュジエ建築×リー・ウーファン、静寂の部屋。

〈リヨン・ビエンナーレ2017〉が開催中。これに関連し、コルビュジエの名作でも現代アートが展示されています。

フランス、リヨン近郊にある〈ラ・トゥーレット修道院〉で、リー・ウーファンの作品展示が始まっている。ル・コルビュジエが1960年に建設したドミニコ会系修道院は宿泊滞在も可能なので、今でも多くの建築好きやコルビュジエファンが訪れる場所だ。この修道院では9年前から毎年アーティストを招き、遺産的建築と現代クリエーションの対話をテーマとした作品展示イベントを行ってきた。例えば2015年にはアーニッシュ・カプーアが招致されている。今年は〈リヨン・ビエンナーレ2017〉の開催も重なり、そのハブ展示として約3か月間、リー・ウーファンがこの空間のために製作した作品を展覧することになった。
「波動ガラス」とコルビュジエが命名した回廊で、ガラス板と石を置く。Relatum Stage, 2017 (c) Lee Ufan et frère Marc Chauveau
修道士たちの食堂に、石盤石の破片を敷き詰める。Relatum Dwelling (B), 2017 (c) Lee Ufan et frère Marc Chauveau
館内の一角に、韓国和紙を敷き詰め石を置く。Relatum Room, 2017 (c) Lee Ufan et frère Marc Chauveau
屋外の芝生に石盤石を方形に敷き詰め、石と鉄鋼板を置く。Relatum Dwelling (A), 2017 (c) Lee Ufan et frère Marc Chauveau
回廊に1m立方の鋼鉄板の囲いを置き、中にロウソクを灯す。Relatum - Room (A), 2017 (c) Lee Ufan et Jean-Philippe Simard
礼拝堂の祭壇後ろにアクリルペイントのキャンバスを掛ける。Dialogue, 2017 (c) Lee Ufan et Jean-Philippe Simard
礼拝堂の身廊、床の上にカラーラ大理石の砂利、ソーヌ川の砂、アクリルペイントのキャンバス。Dialogue, 2017 (c) Lee Ufan et Jean-Philippe Simard
「ラ・トゥーレット修道院」。上階2フロアの1つ1つの小さな窓が修道士やビジターの個室になっている。
「波動ガラス」とコルビュジエが命名した回廊で、ガラス板と石を置く。Relatum Stage, 2017  (c) Lee Ufan et frère Marc Chauveau
修道士たちの食堂に、石盤石の破片を敷き詰める。Relatum Dwelling (B), 2017 (c) Lee Ufan et frère Marc Chauveau
館内の一角に、韓国和紙を敷き詰め石を置く。Relatum Room, 2017 (c) Lee Ufan et frère Marc Chauveau
屋外の芝生に石盤石を方形に敷き詰め、石と鉄鋼板を置く。Relatum Dwelling (A), 2017 (c) Lee Ufan et frère Marc Chauveau
回廊に1m立方の鋼鉄板の囲いを置き、中にロウソクを灯す。Relatum - Room (A), 2017 (c) Lee Ufan et Jean-Philippe Simard
礼拝堂の祭壇後ろにアクリルペイントのキャンバスを掛ける。Dialogue, 2017 (c) Lee Ufan et Jean-Philippe Simard
礼拝堂の身廊、床の上にカラーラ大理石の砂利、ソーヌ川の砂、アクリルペイントのキャンバス。Dialogue, 2017 (c) Lee Ufan et Jean-Philippe Simard
「ラ・トゥーレット修道院」。上階2フロアの1つ1つの小さな窓が修道士やビジターの個室になっている。
リー・ウーファンは1936年韓国生まれ、20歳から日本に滞在し、日大哲学科を経て、60年代末に興った現代美術運動「モノ派」を立ち上げた一人。人間の手で造られたマテリアルと自然の対峙を一貫したテーマとして、81歳 ( ! ) の今もなお精力的に活動している。

今年3月に修道院に滞在し現場を視察して、作品構想を練った。コルビュジエの特徴である打ちっ放しのコンクリートとガラスの空間が、ウーファンおなじみの石や金属、紙といった無垢の素材によって姿を一変させている。修道士たちの食堂の床には一面、アルドアーズ(屋根に使う石盤石)の破片を敷き詰め、韓国の和紙を張り合わせた壁と床を作った部屋には、自然石が1つ。他にも回廊の一角や礼拝堂の中、芝生の中庭にも作品が見られる。

修道院は山々を見晴らす丘の傾斜地に人造素材であるコンクリートのブリュットな肌を見せて屹立している。このコルビュジエ建築そのものが大自然と対峙しており、その内側にウーファンは、建築と対峙する作品を据えた。その二重構造が面白い。日帰り鑑賞も可能だが、朝夕刻々と印象が変わる建築と作品の関係性を見届けるために、ぜひ修道院に1泊することをお勧めする。

リー・ウーファン『記憶の彼方に』

〈ラ・トゥーレット修道院〉

Couvent de la Tourette, 69210 Eveux, France
TEL 33 4 72 19 10 90。〜12月20日(水)。月曜休。14時〜18時30分。入場料7ユーロ。事前にメールで予約を。