青野尚子の「今週末見るべきアート」|名和晃平 SANDWICHのアートで禅を体験。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS facebook-a facebook instagram line twitter youtube

青野尚子の「今週末見るべきアート」|名和晃平 SANDWICHのアートで禅を体験。

9月に完成した名和晃平|SANDWICHの〈洸庭(こうてい)〉。このアートパビリオンがある広島県福山市の〈神勝寺 禅と庭のミュージアム〉はアートや食を楽しみながら禅の心に親しめる、禅のアミューズメントパークのようなところです。木々や池が美しい広々とした庭で、悟りへの一歩を踏み出してみませんか?

名和晃平|SANDWICHのアートパビリオン〈洸庭〉。現代美術で禅を体験できる建築だ。
〈神勝寺〉はJR福山駅から車で25分のところにある禅寺。緑豊かな山に囲まれた7万坪もある広い境内にお堂や茶室、社務所が点在する。ここで庭を散策し、お茶をいただき、禅画を鑑賞しながら禅の精神に触れる、その体験を総称したものが“禅と庭のミュージアム”なのだ。日々の実践のすべてに悟りへの道が開かれていると考える禅の精神をそのまま形にしたような庭園だ。
〈洸庭〉に近づくと独特の曲線が迫る。繊細なカーブの屋根は金閣寺や建仁寺の屋根を葺いている職人が手作業で貼った65万枚ものサワラ材でできている。
到着した人々を出迎えてくれる総門は、京都御苑にあった旧賀陽宮邸の門を移築したもの。その総門をくぐると寺務所〈松堂〉(しょうどう)が目に入る。手曲げの銅板で葺かれた屋根のてっぺんに赤松が生えた独特の建築は藤森照信の設計によるもの。ショップでは京都「かみ添」や「ピエール・エルメ・パリ」のオリジナルグッズを販売している。「ピエール・エルメ・パリ」のスイーツは〈洸庭〉のオープンを記念して作られたオリジナルだ。〈洸庭〉近くのカフェでもコーヒーと一緒にいただける。
藤森照信設計の寺務所〈松堂〉。瀬戸内に多い赤松が屋根から生えている。藤森は、松は禅のイメージにもっとも近い木だと言う。
〈洸庭〉の内部には名和晃平とビジュアルデザインスタジオ、WOWによるインスタレーションが広がる。中に入る前にその外観をじっくり味わって欲しい。舟底を上下に二つ、重ね合わせたような形をしている。地面から浮き上がったその姿はUFOのよう。地面には石が敷き詰められ、プラントハンターの西畠清順がアレンジした木々が植えられている。建物は繊細なサワラ材の板で覆われており、寺社の屋根などに伝統的に使われてきた「こけら葺き」や「重ね貼り」の手法で覆った。見上げると絶妙なカーブが空を切り取る。