芸術祭『in BEPPU』がいよいよ開催。今年の招聘アーティスト、廣川玉枝が創り出す「祭」とは。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

芸術祭『in BEPPU』がいよいよ開催。今年の招聘アーティスト、廣川玉枝が創り出す「祭」とは。

毎年1組のアーティストを招き、大分・別府で開催される芸術祭『in BEPPU』。2021年は服飾デザイナー・廣川玉枝の「祭」がテーマだ。12月18日から別府名所の一つである鉄輪むし湯などを舞台に、市民を巻き込んだこれまでにない催しが行われる。

メインビジュアルは、廣川が考案した「山神」のイメージ。別府を1つの身体に見立て、エネルギーが循環する様を表現した。
別府市に毎年1組のアーティストを招聘し、地域性を活かしたアートプロジェクトを行う芸術祭『in BEPPU』。6回目を迎える本年は服飾デザイナー・廣川玉枝を招き、「祭」をテーマに12月18日~2022年2月13日まで開催する。

芸術祭は廣川が創作した3回の祭りと、鉄輪(かんなわ)エリアを中心とした5箇所の常設展示で構成される。祭りは山→町→海の順に、山から町、町から海へと温泉の水脈を辿るように別府ならではの神事を行う。祭で使用する神々の衣裳は今回廣川が全て特別に制作した。
祭の衣装は廣川がデザイン。火男火賣(ほのおほのめ)神社と大谷公園の2会場で常設展示される。
廣川はデジタル技術による無縫製ニットの手法を筆頭に、新時代のデザインのあり方を模索する復職デザイナーだ。自身の服飾ブランド〈SOMARTA(ソマルタ)〉でデジタル技術を駆使した「Skin Series」を発表。皮膚のように纏えることから“第二の皮膚”と呼ばれ、レディー・ガガらが着用し話題となった。またアシックスとともに、東京オリンピック・パラリンピックで選手らが身につけたジャケットの共同開発も手がけている。
2021年招聘アーティストの廣川玉枝。
廣川が今回「祭」をテーマにした理由には、コロナの社会状況が影響している。人類は疫病や自然災害などで苦しいときこそ土地の神様に祈りを捧げ、厄を祓う「祭」を催してきた。かつての別府でも鶴見岳の噴火を鎮めた火男火賣神社、荒れ狂う地獄を鎮め鉄輪を湯治場へと変容させた一遍上人のように、新たな未来へと導く存在があったという。廣川は今の時代に必要とされているのは「祭」しかないと考えた。
「鉄輪むし湯」の作品イメージ。
3回の祭りは全てオンラインでも配信される。すでに行われた最初の祭りは、山での「追儺式神事奉納」。火の精霊に神楽を奉納し邪鬼を祓う。その後神様を呼び覚まし、芸術祭の始まりを告げるものだ。ダンサー・振付家の湯浅永麻が登場する。

続いて12月18日に町で行われる「地嶽祭神事奉納」は、廣川がデザインした地嶽の神々の衣裳を纏う市民が練り歩く。東京オリンピック開会式で森山未來の振り付けを手がけた大宮大奨も参加。一行が「鉄輪むし湯」に到着すると、大地にエネルギーを与える地鳴らしが始まる。鉄輪むし湯は廣川の「Skin Series」の魔除け提灯と暖簾で装飾され、屋内では地嶽柄装束を纏ったスタッフが禊祓としてのむし湯体験を提供する。

最終日は海で「火祭神事奉納」を行い、春到来の祝福と芸術祭の終わりを告げる。

「自然のエネルギーに感謝を捧げ、あめつちの神々に豊穣を祈る。私たちの祖先が自然を崇拝し、未来永劫続けてきたこの風習をまつりと呼び、人類が芸術を生み出す源となった。まつりとは、人々が自然と対峙して育む情熱の象化であり、希望の結晶である。『廣川玉枝 in BEPPU』では、この前向きなエネルギーをもとに、別府という大地に佇む神々や祖先に感謝と祈りを捧げ、人類が太古から培ってきた自然との関係性を可視化し、体現できるものにしたい」と廣川は語る。

廣川玉枝

ひろかわ たまえ ファッション、グラフィック、サウンド、ビジュアルデザインを手掛ける「SOMA DESIGN」を設立。同時にブランド〈SOMARTA〉を立ち上げ東京コレクションに参加。第25回毎日ファッション大賞新人賞・資生堂奨励賞受賞。単独個展『廣川玉枝展 身体の系譜』の他Canon『NEOREAL』展、TOYOTA 『iQ×SOMARTA MICROCOSMOS』展、 YAMAHA MOTOR DESIGN 『02Gen-Taurs』など企業コラボレーション作品を多数手がける。2017年SOMARTAのシグネチャーアイテム「Skin Series」がMoMAに収蔵され話題を呼ぶ。2018年「WIRED Audi INNOVATION AWARD」を受賞。
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