森山大道やカバコフ新作が出迎える、夏の越後妻有へ。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

森山大道やカバコフ新作が出迎える、夏の越後妻有へ。

コロナ禍のため延期された『大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ』ですが、期間外もさまざまな催しが開かれています。今年の夏にお目見えした新作を紹介します。

新たに整備された「フィールドミュージアム」内、展望台として使われていた〈松代城〉には3つのアート作品が登場した。 (一社)十日町市観光協会提供。
〈松代城〉2階の豊福亮《樂聚第》(2021年)。豊臣秀吉が作らせたという「黄金の茶室」にも負けない輝きだ。 photo_Keizo Kioku
2000年に始まった『大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ』は越後妻有地域(新潟県十日町市・津南町)で3年おきに開かれている芸術祭。今年は第8回のトリエンナーレが開かれる予定だったが、コロナ禍で延期を余儀なくされた。でも同エリアではトリエンナーレ期間外も約200点の作品やイベントが楽しめる。夏に新しく登場した作品や施設も見どころがいっぱいだ。今回はリニューアルオープンした〈越後妻有里山現代美術館 MonET(モネ)〉、イリヤ&エミリア・カバコフの作品が追加された〈まつだい「農舞台」〉やそのエリア一帯を含む「まつだい『農舞台』フィールドミュージアム」を紹介する。

●新作も仲間入りした〈越後妻有里山現代美術館 MonET(モネ)〉

〈越後妻有里山現代美術館MonET〉の恒久設置作品、レアンドロ・エルリッヒの《Palimpsest: 空の池》(2018年)。建物が水面に映っているかのように見えるトリッキーなアート。 photo_Keizo Kioku
「越後妻有里山現代美術館 MonET(Museum on Echigo-Tsumari)」は〈越後妻有交流館キナーレ〉に2012年に登場した「越後妻有里山現代美術館[キナーレ]」をリニューアルしたもの。現在、企画展示エリアでは森山大道展「彼岸は廻る—越後妻有版《真実のリア王》」が開かれている。
「彼岸は廻るー越後妻有版『真実のリア王』」(2003年)。森山大道は舞台を彼独特のアレたモノクロームで捉えていた。 photo_Daido Moriyama
森山大道独特の粒子の粗いモノクロプリントは2003年、〈まつだい「農舞台」〉で上演されたクリスティアン・バスティアンスの演劇《越後妻有版『真実のリア王』》を記録したもの。この演劇は地元のお年寄りたちが舞台で食事をしながら会話し、そこにお年寄りたちが自身の人生を振り返った独白と、彼らが読むシェークスピアの戯曲『リア王』のセリフが融合したものが流れるという実験的なものだった。森山大道のコントラストの強い画面に、お年寄りの記憶の中から立ち現れる人や自然の営みが充満する。
MonET企画展「彼岸は廻るー越後妻有版『真実のリア王』」展示風景。同展はリニューアル後、初の企画展になる。天井の作品は常設のゲルダ・シュタイナー&ヨルク・レンツリンガーによるもの。photo_Keizo Kioku
森山はこのとき、舞台のほかに里山の風景も撮っていた。濃密な色彩が満ちる花や路地、山、田の風景は《真実のリア王》にも流れていた、この世のものではないどこかのような不思議な感覚に満ちている。
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