皇室の名宝がお蔵出し! 若冲《旭日鳳凰図》や《動植綵絵》8幅などが公開へ。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

皇室の名宝がお蔵出し! 若冲《旭日鳳凰図》や《動植綵絵》8幅などが公開へ。

天皇陛下の即位を記念する特別展『皇室の名宝』が〈京都国立博物館〉で開催中。〈宮内庁三の丸尚蔵館〉所蔵の名だたる品々が一堂に集まる貴重な機会です。

伊藤若冲筆《旭日鳳凰図》。若冲が画家に専念することになった40歳の折りの記念碑的作品。加えて代表作の《動植綵絵》8点も出陳(展示替あり)。江戸時代、宝暦5年(1755)、〈宮内庁三の丸尚蔵館〉蔵、後期展示(11月3日~11月23日)
天皇陛下の即位とともに元号が改まり、令和の世を迎えたいま。新たな世の始まりを記念した特別展がはじまっている。会期は前期が10月10日から11月1日、後期が11月3日から11月23日の予定だ。

本展では〈宮内庁三の丸尚蔵館〉の名品を展示する。伊藤若冲の《旭日鳳凰図》や《動植綵絵》30幅中8幅のほか、大嘗祭に描かれた《悠紀・主基屏風》など貴重な蔵出し作品が目白押しとなっている。
伝狩野永徳筆《源氏物語図屏風》左隻。〈桂離宮〉を営んだことで知られる八条宮家に伝来した作品。かつては邸宅を飾る襖絵であった。桃山時代・16~17世紀、〈宮内庁三の丸尚蔵館〉蔵、後期展示(11月3日~11月23日)
ここから、本展の展示作品をピックアップしてご紹介。

〈三の丸尚蔵館〉には皇室と縁のある書画が数多く収蔵されているが、大部分が江戸時代以前から皇室周辺で用いられてきた品と、明治時代以降に献上された品だ。本展では、書き文字の美しさが尊ばれる日本で、今も私たちが学ぶ楷書、行書、草書などの書法を美しく完成させた王羲之の模本を展示。さらには「三跡」に数えられる小野道風、藤原佐理、藤原行成や、平重盛、西行、藤原定家といった歴史上の人物の個性豊かな書も観ることができる。
王羲之《喪乱帖》(搨本)。四世紀の中国で活躍した書聖・王羲之の真蹟は現存せず、その書風を伝える模本が珍重される。本作はその中でも随一。 唐時代・7世紀、〈宮内庁三の丸尚蔵館〉蔵、前期展示(10月10日~11月1日)
藤原佐理筆《恩命帖》(部分)平安時代・10世紀、〈宮内庁三の丸尚蔵館〉蔵、後期展示(11月3日~11月23日)
漢字から万葉仮名へ、そしてかな文字へと深化していく和漢の交わりも、美麗な古筆の名品で辿ることができる。江戸時代までの日本は中国・漢の文物に学び、そこに自らの風土に根ざした美意識を加えることで豊かな和の文化が創造されてきた。
伝藤原行成筆《雲紙本和漢朗詠集》巻上(部分)。漢詩と和歌を集めた平安時代のアンソロジー。藍色の雲形を漉き込んだ料紙に、力強さを秘めた美しい書が映える。平安時代・11世紀、〈宮内庁三の丸尚蔵館〉蔵、通期展示(巻替あり。本作は後期展示[11月3日~11月23日])
小野道風筆《屏風土代》(部分)。三跡の一人、道風の代表作。宮中の屏風絵に寄せた漢詩の下書きで、完成品は「唐絵」を飾ったと考えられている。平安時代・10世紀、〈宮内庁三の丸尚蔵館〉蔵、後期展示(11月3日~11月23日)
絵画では、鎌倉時代に元寇を描いた《蒙古襲来絵詞》や、20巻全てが欠けることなく伝世した《春日権現験記絵》など、教科書でおなじみの作品も。
《蒙古襲来絵詞》 後巻(部分) 鎌倉時代・13世紀、〈宮内庁三の丸尚蔵館〉、通期展示(後巻は後期展示[11月3日~11月23日])
高階隆兼筆《春日権現験記絵》巻一(部分)。20巻すべてが揃い、製作の背景を記す目録とともに伝えられる奇跡の絵巻。鎌倉時代の歴史や美術を語る逸品として知られている。鎌倉時代、延慶2年(1309)、〈宮内庁三の丸尚蔵館〉蔵、通期展示(巻一は後期展示[11月3日~11月23日])
狩野永徳、海北友松、俵屋宗達、狩野探幽、尾形光琳、円山応挙、伊藤若冲……。桃山から江戸時代にかけて登場した彼らの作品も、屏風を中心に多数展示される。
俵屋宗達筆《扇面散屏風》右隻(部分)江戸時代・17世紀、〈宮内庁三の丸尚蔵館〉蔵、後期展示(11月3日~11月23日)
令和の即位礼では、皇居正殿の高御座(たかみくら)に登壇される天皇陛下の姿が印象的だったが、江戸時代にも同じように行われた様子を描いたのが《霊元天皇即位図屏風》だ。〈京都御所〉にある紫宸殿(ししんでん)内の高御座には、金属と玉に飾られた冕冠(べんかん)をかぶり、鮮やかな赤い装束に身を包む天皇の姿が。その装いから中国の影響が強くうかがえる。
狩野永納筆《霊元天皇即位図屏風》(部分)。今では見ることがかなわない、〈京都御所〉での即位の風景が描かれている。天皇の顔を明確に描く即位図はほかに例がない。江戸時代・17世紀、〈京都国立博物館〉蔵、後期展示(11月3日~11月23日)
本展は、天皇家に伝来する品々が東京以外の地でまとまって公開される初めての機会。伝統の名品の数々を観にぜひ足を運んでみたい。
藤原為信・豪信筆《天子摂関御影 天子巻》(部分)。平安から鎌倉時代の天皇の系図を肖像でつづる絵巻。写実的な筆致で個性的な風貌がとらえられている。鎌倉~南北朝時代・14世紀、〈宮内庁三の丸尚蔵館〉蔵、通期展示(巻替あり。本作は前期展示[10月10日~11月1日])
後鳥羽天皇宸翰《熊野懐紙》重要文化財。鎌倉時代・13世紀、〈京都国立博物館〉蔵、後期展示(11月3日~11月23日)
《飛香舎襖》江戸時代・19世紀、宮内庁京都事務所蔵、通期展示(この2面は前期展示[10月10日~11月1日])
《飛香舎調度》のうち《松喰鶴蒔絵螺鈿二階厨子飾り》。藤壺の別名で知られる飛香舎は、天皇の后妃のための殿舎のひとつ。〈京都御所〉の飛香舎を飾る襖絵とそこに配された調度。江戸時代・19世紀、〈東京国立博物館〉蔵、通期展示
東福門院御料《五衣唐衣裳装束》のうち檜扇。江戸時代・17世紀、京都《霊鑑寺》、通期展示
東福門院御料《五衣唐衣裳装束》のうち唐衣・表着。江戸時代・17世紀、京都《霊鑑寺》、通期展示

御即位記念 特別展『皇室の名宝』

〈京都国立博物館〉京都市東山区茶屋町527。TEL 075 525 2473。前期10月10日~11月1日、後期11月3日~11月23日。月曜休(11月23日は開館)。9時30分~18時(入館〜17時30分)。観覧料1,800円。

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