MoMAでドナルド・ジャッドの回顧展がスタート! | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

MoMAでドナルド・ジャッドの回顧展がスタート!

アメリカでは30年ぶりというドナルド・ジャッドの大回顧展がMoMAで始まった。展示品の数、実に70点。ジャッドの原点や創作の裏側にも出会うことができる、MoMA渾身の展覧会だ。

《Untitled.》(1991)。エナメルがけをしたアルミニウム製。© 2019 Judd Foundation/Artists Rights Society (ARS), New York. Photo: John Wronn
『ジャッド』展の舞台は、去年秋のMoMAリニューアルで新設された最上階だ。フロア全体をくまなく使い、1960年代から晩年までの作品を時系列で紹介する。ジャッドといえば、テキサス州マーファに作った私設ミュージアム〈チナティ〉に見られる金属ボックスの連なりや、箱が垂直に並ぶ《スタック》を思い浮かべる人も多いだろう。MoMAの回顧展では、代表的な立体作品はもちろん、これまであまり知られることのなかったペインティングやドローイングなどの初期作品、またプリントやオブジェも紹介する。
柵などはない。どこまでも近づいて鑑賞できる。ただし作品には触れないこと。© 2020 The Museum of Modern Art, New York. Photo: Jonathan Muzikar
平面から立体へ、そして建築的な作品へと進んでいくのを目の当たりにできる。© 2020 The Museum of Modern Art, New York. Photo by Jonathan Muzikar
柵などはない。どこまでも近づいて鑑賞できる。ただし作品には触れないこと。© 2020 The Museum of Modern Art, New York. Photo: Jonathan Muzikar
平面から立体へ、そして建築的な作品へと進んでいくのを目の当たりにできる。© 2020 The Museum of Modern Art, New York. Photo by Jonathan Muzikar
1960年のオイルペインティング。《Untitled. 》© 2020 Judd Foundation / Artists Rights Society (ARS), New York
最初のギャラリーに登場するのが、1960~61年に制作したペインティング。砂を混ぜ込んだ油絵の具で描いてあり、そばに近寄ると表面が立体的に盛り上がっているのが見て取れる。続いて現れる同時期の作品は、真っ黒に塗り込めた油絵の中央に銀色のメタリックなボックスが埋まっている。実はこれ、ブリキでメッキしたスチール製のケーキ型! 後年作り続けた「金属の箱」の、意外な出発点だ。その他にも直筆の色指定などの貴重な資料を展示する。

驚くことに、作品の周りには防御柵やロープもなければ、下に台座もない。ジャッドの生前の意志を尊重し、何物にも妨げられない鑑賞体験を提供する。ちなみに作品の性質上、かすかなキズや欠けが生じても、修復は不可能なのだとか。

贅沢な空間使いや絶妙のライティングといい、ジャッドを知り尽くしたエキスパートによる鮮やかなキュレーションといい、新生MoMAならではのジャッド展を堪能されたい。
エントランス。若き日のジャッドが出迎える。© 2020 The Museum of Modern Art, New York. Photo: Jonathan Muzikar

『Judd』

〈The Museum of Modern Art〉
11 West 53 St., New York. TEL(1)212 708 9400。3月1日〜7月11日。10時30分~17時30分(金・第一木~21時)。無休。入場料25ドル。金曜17時30分~21時は入場料無料。

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