エッシャーが守ったメスキータの版画。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

エッシャーが守ったメスキータの版画。

マウリッツ・エッシャーにも影響を及ぼした、オランダのアーティスト、メスキータを知っていますか。日本初となるメスキータの回顧展がスタートします!

《ヤープ・イェスルン・デ・メスキータの肖像》1922年、個人蔵 Photo: J&M Zweerts
建築不可能な構造物や空間構造など、目の錯覚を利用した「だまし絵」で広く知られる画家、マウリッツ・エッシャー。彼が生涯で、命を懸けて守った作品があった。それは恩師であり、大切な友人でもあったアーティスト、サミュエル・イェスルン・デ・メスキータの作品だ。
《メメント・モリ(頭蓋骨と自画像)》1926年、個人蔵 Photo: J&M Zweerts
ポルトガル系ユダヤ人としてオランダで生まれ、1890年頃から作品制作を始めたメスキータ。エッチングやリトグラフ、水彩画、デッサンなど、様々な技法を試み、画家や版画家、デザイナー、そして美術学校の教師としても幅広く活躍した。中でも、異国の動物や植物、人を描いた特徴的な木版画の作品を多く残した。
《シマウマ》1918年、個人蔵 Photo: Martin Wissen Photography, Borken, Germany 白黒のコントラストを取り入れ、繊細な装飾と力強い表現が、見た人に強い印象を残す。
1944年、ユダヤ人であったため、ナチスにアウシュヴィッツ強制収容所に送られ、その後帰らぬ人となってしまったメスキータ。しかし美術学校の教え子であり、その後も友情関係を築いてきたエッシャーとその友人たちが、メスキータのアトリエに残された作品を命懸けで救い出した。戦後、回顧展を開き、彼の業績を広めた。
《ワシミミズク》1915年、個人蔵 Photo: J&M Zweerts
《パイナップル》1928年、個人蔵 Photo: Martin Wissen Photography, Borken, Germany
《トーガを着た男》1923年、個人蔵 Photo: J&M Zweerts
《ワシミミズク》1915年、個人蔵 Photo: J&M Zweerts
《パイナップル》1928年、個人蔵 Photo: Martin Wissen Photography, Borken, Germany
《トーガを着た男》1923年、個人蔵 Photo: J&M Zweerts
同展は、版画約180点と油彩や水彩など約60点の、合計約240点を展示される。

エッシャーに大きな影響を与え、命をかけて守ったサミュエル・イェスルン・デ・メスキータの作品とは。その知られざる画業を辿ってみたい。
『ウェンディンゲン』表紙1931年、個人蔵 Photo: Martin Wissen Photography, Borken, Germany
『ウェンディンゲン』表紙1923年、個人蔵 Photo: Martin Wissen Photography, Borken, Germany
『ウェンディンゲン』表紙1931年、個人蔵 Photo: Martin Wissen Photography, Borken, Germany
『ウェンディンゲン』表紙1923年、個人蔵 Photo: Martin Wissen Photography, Borken, Germany

『メスキータ』

〈東京ステーションギャラリー〉東京都千代田区丸の内1-9-1 TEL03 3212 2485。6月29日〜8月18日。月曜、7月16日休(7月15日、8月12日は開館)。10時〜18時(金曜〜20時。入館は閉館の30分前まで)。入場料1,100円。