ART
廣村正彰さん、東京2020のピクトグラムについて教えて!
『カーサ ブルータス』2019年6月号より
May 31, 2019 | Art, Design | a wall newspaper | text_Sawako Akune editor_Yuka Uchida
来年の東京オリンピックのスポーツピクトグラム、そのデザインの背景に迫りました。
東京オリンピックの開催までいよいよ1年と少し。今大会で開催される全33競技50種類のスポーツピクトグラムが発表された。言語や背景の違う世界じゅうの誰もが、視覚的に情報を把握できることを目指すピクトグラム。今回の東京オリンピックならではのピクトグラムってなんだろう? デザインを手がけた廣村正彰さんに話を聞いた。
Q どんな着想点からデザインをスタートさせたのですか?
A 世界で初めて公式な場でスポーツピクトグラムを用いた1964年の東京オリンピック以来、オリンピックのスポーツピクトグラムは都市ごとに毎回変わっています。だから何より、2020年の東京オリンピックのものだと思えるデザインでなくてはならない。日本らしく、かつ現代のオリンピックらしいデザインとは何かを改めて考えました。平仮名をベースにしたデザイン、TVゲームを感じさせるビット数の少ないデザイン……。いくつもの方向性を検証するところから始め、すべてのピクトグラムに共通する「システム」を探していきました。
Q 最終的に残ったものに基づいて完成形が生まれているのですね。どんなコンセプトですか?
A 主役であるアスリートたちの鍛えあげられた身体、その躍動を表現したいと考えました。頭は円形、身体は白抜き、手先・足先は円弧というシステムを決め、それぞれの種目を身体の動きで表していく。各種目の特徴と魅力を最大限に表せるのはどのアングルから見たどのシーンなのか、膨大な量の写真や映像を見て研究しました。
Q デザインしていくうえで特に苦労した点はありますか?
A 各ピクトグラムは、組織委員会やIOCに加え、各競技団体にもチェックしていただいています。競技団体には「この手の角度が少し違う」とか「足の踏み込む位置がこう」とか、種目ごとの最高に美しい瞬間について多くのアドバイスをいただきました。我々には計り知れないこだわりがあるんですよね。その細かな微調整が幾度も幾度も続きました。でも、そのコメントに基づいてデザインを直すと、やはりものすごくよくなる。プロの目線に感服しましたし、多くの方の力を借りて作り上げたという実感も大きいです。
Q 廣村さんにとって、オリンピックのデザインに関わることはどんな意味を持つものですか?
A 前回の東京オリンピックは、日本のデザイン界にとっても、国際レベルの成長を示す大きな転換点でした。ピクトグラム、エンブレムをはじめ、当時のデザイナーたちの力がさまざまなジャンルで発揮されたのです。オリンピックはそういう特別な場ですから、大変光栄です。今回も、デザイン的な観点からも見応えあるオリンピックになってほしいです。ぜひ注目していただきたいです。
Q どんな着想点からデザインをスタートさせたのですか?
A 世界で初めて公式な場でスポーツピクトグラムを用いた1964年の東京オリンピック以来、オリンピックのスポーツピクトグラムは都市ごとに毎回変わっています。だから何より、2020年の東京オリンピックのものだと思えるデザインでなくてはならない。日本らしく、かつ現代のオリンピックらしいデザインとは何かを改めて考えました。平仮名をベースにしたデザイン、TVゲームを感じさせるビット数の少ないデザイン……。いくつもの方向性を検証するところから始め、すべてのピクトグラムに共通する「システム」を探していきました。
Q 最終的に残ったものに基づいて完成形が生まれているのですね。どんなコンセプトですか?
A 主役であるアスリートたちの鍛えあげられた身体、その躍動を表現したいと考えました。頭は円形、身体は白抜き、手先・足先は円弧というシステムを決め、それぞれの種目を身体の動きで表していく。各種目の特徴と魅力を最大限に表せるのはどのアングルから見たどのシーンなのか、膨大な量の写真や映像を見て研究しました。
Q デザインしていくうえで特に苦労した点はありますか?
A 各ピクトグラムは、組織委員会やIOCに加え、各競技団体にもチェックしていただいています。競技団体には「この手の角度が少し違う」とか「足の踏み込む位置がこう」とか、種目ごとの最高に美しい瞬間について多くのアドバイスをいただきました。我々には計り知れないこだわりがあるんですよね。その細かな微調整が幾度も幾度も続きました。でも、そのコメントに基づいてデザインを直すと、やはりものすごくよくなる。プロの目線に感服しましたし、多くの方の力を借りて作り上げたという実感も大きいです。
Q 廣村さんにとって、オリンピックのデザインに関わることはどんな意味を持つものですか?
A 前回の東京オリンピックは、日本のデザイン界にとっても、国際レベルの成長を示す大きな転換点でした。ピクトグラム、エンブレムをはじめ、当時のデザイナーたちの力がさまざまなジャンルで発揮されたのです。オリンピックはそういう特別な場ですから、大変光栄です。今回も、デザイン的な観点からも見応えあるオリンピックになってほしいです。ぜひ注目していただきたいです。
廣村正彰
ひろむらまさあき グラフィックデザイナー。1954年愛知県生まれ。田中一光デザイン室を経て88年廣村デザイン事務所設立。